学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0859

理由で解く 解剖学

Q0859 運動器系

出典:鍼灸 第19回(2011) 問題16
問題
下顎骨との間で顎関節を形成するのはどれか。
選択肢
1 頬骨
2 上顎骨
3 蝶形骨
4 側頭骨
解答
正解4(側頭骨)
解説
✗ 1. 誤り
頬骨
頬骨は眼窩外側壁と頬骨弓の前方部をつくる顔面頭蓋の骨で、側頭骨頬骨突起と結合して頬骨弓を形成する。下顎骨とは直接の関節をもたず、咬筋などの付着部として関与するのみである。
✗ 2. 誤り
上顎骨
上顎骨は歯槽突起を介して上の歯列をもち、下顎骨の上の歯列と咬合する関係にあるが、両者は歯の接触(咬合)で対応するのみで、関節を形成するのは下顎骨と側頭骨の間の顎関節である。
✗ 3. 誤り
蝶形骨
蝶形骨は頭蓋腔の中央に位置し、大翼が中頭蓋窩の主体をなすが、下顎骨との関節は形成しない。蝶形骨の翼状突起は軟口蓋や翼突筋群の起始部となり、下顎運動には筋を介して間接的に関与する。
✓ 4. 正しい
側頭骨
顎関節は下顎骨の関節突起先端の下顎頭と、側頭骨鱗部(頬骨突起基部下面)の下顎窩との間に形成される関節で、両者の間に線維軟骨の関節円板が介在する。関節包は緩く外側・内側の靱帯で補強される。左右1対が共同して働き、上下運動(開閉口)・前進後退・側方回旋の3つの運動が可能で、咀嚼運動を行う。頭蓋骨の中で可動性のある関節は顎関節のみであり、他の頭蓋骨間は縫合で連結される。
ポイント
  • 顎関節は下顎骨(下顎頭)と側頭骨(下顎窩)の間につくられる頭蓋で唯一の可動関節である。
  • 覚え方のコツ: 「頭蓋の関節=顎関節のみ(他はすべて縫合で不動)」と一行で記憶。相手方の「下顎窩」は名前に惑わされず側頭骨の構造。
  • 関連知識: 関節円板が介在し、上関節腔(関節円板−下顎窩)は前進後退、下関節腔(関節円板−下顎頭)は上下回転運動を担う。咀嚼筋は咬筋・側頭筋・内側翼突筋・外側翼突筋の4つで、三叉神経第3枝(下顎神経)支配。
  • よくある間違い: 頬骨を顎関節の相手と誤認する(頬骨弓は側頭骨との結合であって顎関節ではない)/上顎骨と下顎骨が関節をつくると誤解する。
  • 臨床応用: 顎関節脱臼は大きな開口動作(あくび・嘔吐など)で下顎頭が関節結節を越えて前方に外れ、閉口不能となる。整復は下顎臼歯部を下後方に押し、下顎頭を関節窩に戻す(ヒポクラテス法)。
比較表
関節構成要素 所属 特徴
下顎頭 下顎骨(関節突起先端) 凸の関節頭
下顎窩 側頭骨(鱗部下面) 凹の関節窩
関節円板 線維軟骨 関節腔を上下に2分
関節包 線維性結合組織 弛緩、外側・内側靱帯で補強
運動 上下運動・前進後退・側方回旋
解説画像
鍼灸 第19回(2011) 問題16|下顎骨との間で顎関節を形成するのはどれか。 解説図
鍼灸 第19回(2011) 問題16|下顎骨との間で顎関節を形成するのはどれか。
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