学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0851

理由で解く 解剖学

Q0851 運動器系

出典:あマ指 第9回(2001) 問題19
問題
副鼻腔を有しない骨はどれか。
選択肢
1 前頭骨
2 下顎骨
3 蝶形骨
4 篩骨
解答
正解2(下顎骨)
解説
✗ 1. 誤り
前頭骨
前頭骨には額の部分(眉間の内部)に左右1対の前頭洞があり、半月裂孔の前上端で中鼻道に開口する含気骨である。風邪や副鼻腔炎で前額部痛をきたすことがある。
✓ 2. 正しい
下顎骨
下顎骨は馬蹄形をした下顎体と下顎枝からなる稠密な骨で、内部に副鼻腔のような含気空洞は存在しない。副鼻腔を持つ骨は上顎骨(上顎洞)・前頭骨(前頭洞)・篩骨(篩骨洞/蜂巣)・蝶形骨(蝶形骨洞)の4つだけで、いずれも鼻腔と交通する「含気骨」である。下顎骨は歯根を入れる歯槽と下顎孔・下顎管(下歯槽神経・血管を通す)を有するが、鼻腔と交通する腔はない。顎関節を介して側頭骨の下顎窩と連結する可動性の骨である点も他の頭蓋骨と異なる特徴である。
✗ 3. 誤り
蝶形骨
蝶形骨の骨体内部には左右1対の蝶形骨洞があり、鼻腔後上方の蝶篩陥凹に開口する。トルコ鞍の直下にあるため、下垂体腫瘍の手術(経蝶形骨アプローチ)の経路にも利用される。
✗ 4. 誤り
篩骨
篩骨は内部の篩骨迷路内に多数の小胞が集まった篩骨洞(篩骨蜂巣)を形成し、前中群は中鼻道、後群は上鼻道に開口する。副鼻腔炎では篩骨蜂巣もしばしば侵され、眼窩蜂巣炎を合併することがある。
ポイント
  • 副鼻腔を持つ骨(含気骨)は上顎骨・前頭骨・篩骨・蝶形骨の4つ。下顎骨は副鼻腔を有さない。
  • 覚え方のコツ: 「上前蝶篩(じょう・ぜん・ちょう・し)」の4骨。鼻腔と交通するものだけが副鼻腔で、乳突蜂巣(側頭骨)は対象外。
  • 関連知識: 上顎洞は最大で、開口が高位にあるため膿排出が悪く蓄膿症の主座となる。
  • よくある間違い: 下顎骨内部に下顎管があることを「副鼻腔」と混同する。下顎管は神経・血管を通す管で空気は通らない。
  • 臨床応用: 急性副鼻腔炎は上気道炎後に発症しやすく、頬部痛(上顎洞)・前額部痛(前頭洞)・頭頂痛(蝶形骨洞)など部位により症状が異なる。
比較表
副鼻腔 開口部
上顎骨 上顎洞(最大) 中鼻道・半月裂孔
前頭骨 前頭洞 中鼻道
篩骨 篩骨洞(蜂巣) 中鼻道・上鼻道
蝶形骨 蝶形骨洞 蝶篩陥凹
下顎骨 なし
解説画像
あマ指 第9回(2001) 問題19|副鼻腔を有しない骨はどれか。 解説図
あマ指 第9回(2001) 問題19|副鼻腔を有しない骨はどれか。
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