学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0850

理由で解く 解剖学

Q0850 運動器系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題18
問題
頭蓋で乳様突起を有する骨はどれか。
選択肢
1 頭頂骨
2 側頭骨
3 後頭骨
4 蝶形骨
解答
正解2(側頭骨)
解説
✗ 1. 誤り
頭頂骨
頭頂骨は頭蓋冠の屋根を構成する扁平骨で、矢状縫合・冠状縫合・ラムダ縫合・鱗状縫合で隣接骨と結合する。特徴的な突起はなく、乳様突起は側頭骨に属する構造である。
✓ 2. 正しい
側頭骨
乳様突起は側頭骨岩様部の乳突部が外側下方に大きく膨隆した突起で、外耳孔の後方に位置し、皮下で容易に触知できる体表指標である。内部には鼓室から続く多数の小気胞(乳突蜂巣)があり、中耳炎が波及すると乳様突起炎として慢性化することがある。胸鎖乳突筋の停止部でもあり、頭頸部の運動にも関係する。側頭骨はほかに外耳道・錐体部・茎状突起・茎乳突孔・下顎窩など重要構造を多数有するため、これらをセットで覚えると体系的理解が進む。
✗ 3. 誤り
後頭骨
後頭骨は後頭部を構成する扁平骨で、大後頭孔・外後頭隆起・後頭顆・舌下神経管などを有する。乳様突起とよく混同される「後頭顆」は環椎後頭関節の関節頭であり、名称も位置も乳様突起と異なる。
✗ 4. 誤り
蝶形骨
蝶形骨は頭蓋腔中央の骨で、小翼・大翼・翼状突起を持つが乳様突起はない。大翼に正円孔・卵円孔・棘孔が開き、下方の翼状突起には翼突管が走るため、「翼状突起」と「乳様突起」を取り違えないこと。
ポイント
  • 乳様突起は側頭骨の乳突部にあり、耳介後下方に触れる胸鎖乳突筋の停止部である。
  • 覚え方のコツ: 「乳=ちち/耳の後ろに触れるちち(乳様)」と位置の記憶に結びつけ、側頭骨の3部(鱗・鼓室・岩様)をまとめて暗記する。
  • 関連知識: 側頭骨は発生時に鱗部・鼓室部・岩様部(錐体部+乳突部)の3部が癒合して生後1年頃に1骨となる。茎状突起も側頭骨に属する。
  • よくある間違い: 「乳様突起」と「翼状突起」(蝶形骨)を混同する。前者は側頭骨、後者は蝶形骨の下方突起で全く別物。
  • 臨床応用: 乳突蜂巣は中耳腔と交通するため、中耳炎が波及すると乳様突起炎となり、発赤・腫脹・圧痛を生じ手術適応となることがある。
比較表
側頭骨の部分 含まれる主な構造
鱗部 頬骨突起、下顎窩、鱗状縫合
鼓室部 外耳道、鼓室底
岩様部(錐体部) 内耳孔、頸動脈管、内耳(蝸牛・前庭・半規管)
岩様部(乳突部) 乳様突起、乳突蜂巣、茎乳突孔、茎状突起
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題18|頭蓋で乳様突起を有する骨はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題18|頭蓋で乳様突起を有する骨はどれか。
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