学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ G. 頭蓋骨 / Q0845

理由で解く 解剖学

Q0845 運動器系

出典:あマ指 第2回(1994) 問題22
問題
副鼻腔の形成に関与しない骨はどれか。
選択肢
1 篩骨
2 側頭骨
3 蝶形骨
4 上顎骨
解答
正解2(側頭骨)
解説
✗ 1.
篩骨
✗ 正しい。 篩骨は左右の篩骨迷路内に多数の小胞からなる篩骨洞(篩骨蜂巣)を持つ含気骨で、副鼻腔の一つを形成する。上鼻道と中鼻道にそれぞれ開口し、鼻腔上部の側壁とも連続するため副鼻腔炎では篩骨洞炎がしばしば問題となる。
✓ 2. 誤り
側頭骨
側頭骨には乳様突起の内部に乳突蜂巣という含気性の小胞群があるが、これは中耳(鼓室)と交通する空間であって鼻腔とはつながらない。したがって副鼻腔の定義(鼻腔と交通する骨内空洞)には当てはまらず、4つの副鼻腔(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)のいずれの形成にも関与しない。中耳炎が乳突蜂巣に波及して乳様突起炎を生じる臨床像と混同しないことが重要である。
✗ 3.
蝶形骨
✗ 正しい。 蝶形骨は骨体の内部に左右1対の蝶形骨洞を持つ含気骨で、鼻腔後上方の蝶篩陥凹に開口する。副鼻腔の中では最も後方かつ深部に位置し、下垂体手術の経蝶形骨到達路としても臨床上重要である。
✗ 4.
上顎骨
✗ 正しい。 上顎骨は骨体内部に4副鼻腔中最大の上顎洞を有する。開口部は上方にあり中鼻道の半月裂孔に開くため、構造上、膿汁が排出されにくく、上顎洞炎(蓄膿症)の慢性化が起こりやすい。
ポイント
  • 副鼻腔は上顎洞・前頭洞・篩骨洞・蝶形骨洞の4つ。それぞれ上顎骨・前頭骨・篩骨・蝶形骨の含気部で、いずれも鼻腔に開口する。
  • 覚え方のコツ: 「上(上顎)・前(前頭)・篩(篩骨)・蝶(蝶形)」の4骨。含気骨=副鼻腔骨と覚え、側頭骨の乳突蜂巣(中耳系)と区別する。
  • 関連知識: 上顎洞のみ中鼻道の半月裂孔、篩骨洞前中群と前頭洞も中鼻道、篩骨洞後群は上鼻道、蝶形骨洞は蝶篩陥凹に開口する。
  • よくある間違い: 側頭骨の乳突蜂巣を副鼻腔と取り違える。乳突蜂巣は中耳(鼓室)に連続するため副鼻腔ではない。
  • 臨床応用: 上顎洞底は上顎大臼歯の歯根に近接し、歯性上顎洞炎の原因となる。蝶形骨洞は経蝶形骨下垂体手術の入口となる。
比較表
副鼻腔 所属骨 主な開口部位
上顎洞 上顎骨(体部) 中鼻道(半月裂孔)
前頭洞 前頭骨 中鼻道(半月裂孔前上端)
篩骨洞(蜂巣) 篩骨(迷路部) 中鼻道・上鼻道
蝶形骨洞 蝶形骨(体部) 蝶篩陥凹
解説画像
あマ指 第2回(1994) 問題22|副鼻腔の形成に関与しない骨はどれか。 解説図
あマ指 第2回(1994) 問題22|副鼻腔の形成に関与しない骨はどれか。
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