学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ F. 下肢の骨格 / Q0833

理由で解く 解剖学

Q0833 運動器系

出典:あマ指 第21回(2013) 問題18
問題
鼠径靱帯が付着するのはどれか。
選択肢
1 坐骨棘
2 坐骨結節
3 下前腸骨棘
4 上前腸骨棘
解答
正解4(上前腸骨棘)
解説
✗ 1. 誤り
坐骨棘
坐骨棘は大坐骨切痕と小坐骨切痕の間に突出する突起で、仙棘靭帯の付着部となる。体表からは直接触れにくいが、骨盤内診で触知できる。鼠径靭帯とは位置的にも機能的にも関係しない。
✗ 2. 誤り
坐骨結節
坐骨結節は寛骨下部の坐骨にある大きな隆起で、大腿後面の筋(ハムストリング)や仙結節靭帯の付着部である。骨盤の後下方に位置し、前方に張る鼠径靭帯とは付着関係にない。
✗ 3. 誤り
下前腸骨棘
下前腸骨棘は上前腸骨棘のすぐ下方にある突起で、大腿直筋(大腿四頭筋の一部)の直頭が付着する。鼠径靭帯は上前腸骨棘に付着するのであり、下前腸骨棘には付着しない。
✓ 4. 正しい
上前腸骨棘
鼠径靭帯は上前腸骨棘と恥骨結節の間に張る強靭な線維性の帯である。鼠径靭帯は外腹斜筋腱膜の下縁が肥厚してできたもので、腹部と大腿部の境界を形成する。外側端は上前腸骨棘に、内側端は恥骨結節にそれぞれ付着する。鼠径靭帯の下を筋裂孔(外側:腸腰筋・大腿神経)と血管裂孔(内側:大腿動静脈)が通り、下肢へ向かう主要な血管・神経の通路をなす。
ポイント
  • 鼠径靭帯の付着は「上前腸骨棘(外側端)⇔恥骨結節(内側端)」。
  • 覚え方のコツ: 鼠径靭帯は外腹斜筋腱膜の下縁が肥厚したもの→腹部の下端の「境界線」と覚える。
  • 関連知識: 下前腸骨棘=大腿直筋直頭、坐骨結節=ハムストリング、坐骨棘=仙棘靭帯。それぞれ別の付着物。
  • よくある間違い: 下前腸骨棘に鼠径靭帯と誤る。腸骨棘は上(上前)に付き、下(下前)は大腿直筋、と覚える。
  • 臨床応用: 鼠径ヘルニアは鼠径靭帯の内側上方で鼠径管内を下降する外鼠径ヘルニアが典型。鼠径靭帯の下方で起こる大腿ヘルニアとの鑑別が重要。
比較表
寛骨の隆起 付着する構造
上前腸骨棘 鼠径靭帯(外側端)、縫工筋、大腿筋膜張筋
下前腸骨棘 大腿直筋(直頭)
坐骨結節 ハムストリング(大腿二頭筋長頭・半腱様筋・半膜様筋)、仙結節靭帯
坐骨棘 仙棘靭帯
恥骨結節 鼠径靭帯(内側端)
解説画像
あマ指 第21回(2013) 問題18|鼠径靱帯が付着するのはどれか。 解説図
あマ指 第21回(2013) 問題18|鼠径靱帯が付着するのはどれか。
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