学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0785

理由で解く 解剖学

Q0785 運動器系

出典:あマ指 第16回(2008) 問題17
問題
仙骨において、他の椎骨の棘突起に相当するのはどれか。
選択肢
1 正中仙骨稜
2 岬 角
3 仙骨裂孔
4 仙骨尖
解答
正解1(正中仙骨稜)
解説
✓ 1. 正しい
正中仙骨稜
成人では5個の仙椎が癒合して1個の仙骨となるが、その過程で各仙椎の棘突起が縦に連なり、仙骨後面の正中線に骨の隆起として残る。これが正中仙骨稜である。同様にして、椎間関節は中間仙骨稜、横突起および肋骨成分は外側仙骨稜を形成する。つまり仙骨後面の3本の稜線は、それぞれ棘突起・椎間関節・横突起の癒合痕であり、棘突起に相当するのが正中仙骨稜である。
✗ 2. 誤り
岬 角
岬角は第1仙椎椎体上面の前縁が前方に突出した部分で、椎体側の構造である。骨盤腔では分界線の一部を構成し、産科的な内結合線測定の基準点にもなる。棘突起の癒合痕ではない。
✗ 3. 誤り
仙骨裂孔
仙骨裂孔は仙骨管の下端開口部で、S4〜S5の椎弓板が癒合しきらずに生じた裂け目に相当する。棘突起ではなく、むしろ椎弓板の開放部に相当する構造であり、両側の盛り上がりが仙骨角(S5下関節突起に相当)である。
✗ 4. 誤り
仙骨尖
仙骨尖は仙骨下端の尖った部分で、尾骨と関節(仙尾関節)をなす。仙骨全体の形(逆三角形)における「先端」を指す解剖学用語で、椎骨の特定の突起に由来するわけではない。
ポイント
  • 仙骨後面の「正中仙骨稜=棘突起の痕」「中間仙骨稜=椎間関節の痕」「外側仙骨稜=横突起+肋骨成分の痕」と対応する。
  • 覚え方のコツ: 「棘(正中)→関節(中間)→横(外側)」と中心から外側に向かって椎骨の3種突起が順に並ぶとイメージする。
  • 関連知識: 仙骨前面には癒合の名残として4本の横線(椎間円板の痕)がある。仙骨管は椎孔の連続、前・後仙骨孔は椎間孔の連続であり、脊髄神経前枝・後枝を別々に通す。
  • よくある間違い: 「岬角=棘突起」と誤る(正解は椎体の一部)/正中仙骨稜と仙骨裂孔を混同する(裂孔はS4〜5の椎弓欠損部)。
  • 臨床応用: 仙骨裂孔は仙骨角を目印に触知でき、仙骨硬膜外麻酔(仙骨ブロック)の穿刺部位となる。分娩時の会陰部無痛分娩や小児の会陰手術に用いる。
比較表
仙骨の部位 一般椎骨の相当部位
正中仙骨稜 棘突起
中間仙骨稜 椎間関節(関節突起)
外側仙骨稜 横突起+肋骨成分
仙骨管 椎孔(脊柱管の続き)
前・後仙骨孔 椎間孔
横線(仙骨前面) 椎間円板
解説画像
あマ指 第16回(2008) 問題17|仙骨において、他の椎骨の棘突起に相当するのはどれか。 解説図
あマ指 第16回(2008) 問題17|仙骨において、他の椎骨の棘突起に相当するのはどれか。
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