学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ C. 脊柱 / Q0786

理由で解く 解剖学

Q0786 運動器系

出典:あマ指 第18回(2010) 問題19
問題
椎骨に付着しない靱帯はどれか。
選択肢
1 黄色靱帯
2 後縦靱帯
3 前十字靱帯
4 翼状靱帯
解答
正解3(前十字靱帯)
解説
✗ 1. 誤り
黄色靱帯
黄色靭帯は上下の椎骨の椎弓板の間をつなぐ靭帯で、弾性線維に富んで黄色を呈する。椎弓(椎弓板)に付着するので椎骨の靭帯である。
✗ 2. 誤り
後縦靱帯
後縦靭帯は全ての椎体と椎間円板の後面(椎孔の前壁)に密着して縦走する靭帯で、第2頸椎から仙骨上端まで伸びる。椎体後面に付着するため椎骨の靭帯である。
✓ 3. 正しい
前十字靱帯
前十字靱帯は膝関節腔内で大腿骨外側顆内面から脛骨顆間隆起の前方へ走る関節内靭帯であり、脛骨の前方への偏位を防ぐ。膝関節の靱帯であって椎骨には付着しない。設問は「椎骨に付着しない」を問うため、脊柱の靭帯ではない前十字靭帯が正解である。脊柱に関連する靭帯には前・後縦靭帯、黄色靭帯、棘間靭帯、棘上靭帯(頸部では項靭帯)、環椎横靭帯、翼状靭帯などがある。
✗ 4. 誤り
翼状靱帯
翼状靭帯は軸椎の歯突起の側面から、左右の後頭顆の内側に伸びる靭帯で、頸部の過度の回旋を制限する。起始が軸椎(C2)であるため椎骨の靭帯に含まれる。
ポイント
  • 脊柱の主要靭帯は「前縦・後縦(椎体)」「黄色(椎弓板)」「棘間・棘上/項(棘突起)」「環椎横・翼状(環軸部)」、一方で前十字靭帯は膝関節内の靭帯である。
  • 覚え方のコツ: 「椎体2つ(前縦・後縦)、椎弓1つ(黄色)、棘2つ(棘間・棘上)、環軸2つ(横・翼状)」と部位ごとに数で整理する。
  • 関連知識: 棘上靭帯は頸部では幅広く厚くなって項靭帯となり、頭半棘筋・僧帽筋などの付着部となる。環椎横靭帯と縦束は環椎十字靭帯を形成し、歯突起の後方脱臼を防ぐ。
  • よくある間違い: 「十字」という名前から環椎十字靭帯と前十字靭帯を混同する/翼状靭帯を鼠径部の構造と勘違いする(正しくは軸椎歯突起-後頭顆間)。
  • 臨床応用: 前十字靭帯(ACL)損傷はスポーツ外傷の代表で、膝の脱力感や前方引き出しテスト陽性を呈する。後縦靭帯骨化症(OPLL)は頸椎に多く、脊髄圧迫症状を起こす。
比較表
靭帯 付着部 備考
前縦靭帯 椎体・椎間円板の前面 後屈制限
後縦靭帯 椎体・椎間円板の後面(椎孔の前壁) 前屈制限
黄色靭帯 上下の椎弓板 弾性線維に富む
棘間靭帯 上下の棘突起の間
棘上靭帯/項靭帯 棘突起の先端(頸部は項靭帯) 過屈曲制限
環椎横靭帯・翼状靭帯 軸椎歯突起と環椎・後頭顆 環軸関節を安定化
前十字靭帯 大腿骨外側顆内面-脛骨顆間隆起 膝関節、椎骨とは無関係
解説画像
あマ指 第18回(2010) 問題19|椎骨に付着しない靱帯はどれか。 解説図
あマ指 第18回(2010) 問題19|椎骨に付着しない靱帯はどれか。
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