
この図の解説
図は胸鎖関節を前額断で示したもので、中央でV字に向かい合う骨の連結に注目する。左右外側から斜めに上がる棒状の骨が鎖骨、その内側端が肥厚した胸骨端で、これが胸骨柄の上外側にある鎖骨切痕とはまり合う。両者の間の関節腔は、右側で示された関節円板によって完全に2つの腔に仕切られている。関節をまたぐ白い線維束のうち、上方で左右の鎖骨をつなぐのが鎖骨間靭帯、前面をおおうのが前胸鎖靭帯、鎖骨と第1肋骨を結んで下方を締めるのが肋鎖靭帯である。胸鎖関節は体幹と上肢を結ぶ唯一の関節で、形態は鞍関節だが関節円板の働きで球関節に近い運動をし、肩の上下・前後の動きに合わせて鎖骨がここで大きく動く。
学習の要点
- 胸鎖関節は「胸骨(鎖骨切痕)」と「鎖骨(胸骨端)」を結び、体幹と上肢帯をつなぐ唯一の関節である。
- 覚え方のコツ: 鎖骨の内は「胸」骨端→胸鎖関節、外は「肩峰」端→肩鎖関節。内外で相手が入れ替わると押さえる。
- 関連知識: 関節腔は関節円板で完全に2分され、鞍関節でありながら球関節に近い自由度の高い運動が可能。肩甲骨・上腕へと続く上肢の運動の起点になる。
- よくある間違い: 「上肢帯と体幹の連結は肩鎖関節」は誤り。肩鎖関節は鎖骨と肩甲骨(肩峰)の連結で、体幹との橋渡しは胸鎖関節が担う。
- 臨床応用: 鎖骨下面を走る鎖骨下筋は鎖骨を下内方へ引いて胸鎖関節を固定し、上肢の強い運動時の脱臼を防ぐ。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
体幹と上肢帯とを結ぶ唯一の関節は( )である。
答えを見る
答え: 胸鎖関節
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。