学習トップ理由で解く 解剖学第10章 ▸ A. 骨格系総論 / Q0763

理由で解く 解剖学

Q0763 運動器系

出典:鍼灸 第16回(2008) 問題20
問題
筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
選択肢
1 三角筋 ― 肩関節の外転
2 腕橈骨筋 ― 肘関節の伸展
3 腸腰筋 ― 股関節の屈曲
4 半腱様筋 ― 膝関節の屈曲
解答
正解2(腕橈骨筋 ― 肘関節の伸展)
解説
✗ 1.
三角筋 ― 肩関節の外転
✗ 正しい。 三角筋は肩峰・肩甲棘・鎖骨外側1/3から起こり上腕骨三角筋粗面に停止する肩関節を覆う筋で、主作用は肩関節の外転である(90°まで)。前部は屈曲・内旋、後部は伸展・外旋にも関与し、腋窩神経支配で三角筋中央部は筋注部位としても用いられる。組合せは正しい。
✓ 2. 誤り
腕橈骨筋 ― 肘関節の伸展
腕橈骨筋は上腕骨外側顆上稜から起始し、橈骨茎状突起に停止する前腕後面外側の紡錘形筋で、主作用は「肘関節の屈曲」である(特に前腕中間位での屈曲で強く働く)。支配神経は橈骨神経であるが、機能的には屈筋群として働く点が特徴的で、「橈骨神経支配の屈筋」という例外として国家試験頻出である。したがって「腕橈骨筋―肘関節の伸展」という組合せは誤りで、本問の解答となる。なお肘関節の伸展は上腕三頭筋・肘筋が担当する。腕橈骨筋は前腕回内位では回外、回外位では回内に働き、回内外を中間位に戻す作用もある。
✗ 3.
腸腰筋 ― 股関節の屈曲
✗ 正しい。 腸腰筋は大腰筋(腰椎椎体・横突起)と腸骨筋(腸骨窩)が合流し、大腿骨小転子に停止する強力な股関節屈筋である。歩行・階段昇降で中心的役割を果たし、大腿神経・腰神経叢が支配する。組合せは正しい。
✗ 4.
半腱様筋 ― 膝関節の屈曲
✗ 正しい。 半腱様筋は坐骨結節から起こり脛骨内側の鵞足に停止するハムストリング筋の1つで、膝関節の屈曲と股関節の伸展に働く。大腿二頭筋・半膜様筋とともにハムストリングを構成し、坐骨神経(脛骨神経部)支配。組合せは正しい。
ポイント
  • 腕橈骨筋は橈骨神経支配の「屈筋」で、肘関節の屈曲(特に中間位)に働く例外的な筋。
  • 覚え方のコツ: 「橈骨神経は伸筋の神経」だが、腕橈骨筋だけは例外で屈筋。名前に「橈」が入る筋は混乱しがちなので別物として整理。
  • 関連知識: 肘屈筋=上腕二頭筋・上腕筋・腕橈骨筋の3筋。肘伸筋=上腕三頭筋・肘筋。
  • よくある間違い: 腕橈骨筋を伸筋と誤る/橈骨神経支配=伸展作用と機械的に対応づける。
  • 臨床応用: 橈骨神経麻痺では下垂手となるが、腕橈骨筋麻痺で肘屈曲時の中間位保持が困難となり診断の手がかりになる。
解説画像
鍼灸 第16回(2008) 問題20|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第16回(2008) 問題20|筋とその作用との組合せで誤っているのはどれか。
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