学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ C. 味覚器 / Q0740

理由で解く 解剖学

Q0740 感覚器系

出典:鍼灸 第32回(2024) 問題23
問題
味覚について正しいのはどれか。
選択肢
1 糸状乳頭には味蕾がある。
2 舌の後の味覚は舌下神経が伝える。
3 舌の前の味覚は舌咽神経が伝える。
4 孤束核で中継される。
解答
正解4(孤束核で中継される。)
解説
✗ 1. 誤り
糸状乳頭には味蕾がある。
糸状乳頭は舌背で最も多い乳頭で機械感受を担うが、味蕾はもたない(角化した突起のみ)。味蕾を多くもつのは茸状乳頭・葉状乳頭・有郭乳頭である。
✗ 2. 誤り
舌の後の味覚は舌下神経が伝える。
舌の後1/3の味覚は「舌咽神経(IX)」が伝える。舌下神経(XII)は舌の運動神経であり、味覚伝達には関与しない。XII=運動、味覚はVII(前2/3)・IX(後1/3)・X(咽頭・喉頭蓋)と神経支配を区別。
✗ 3. 誤り
舌の前の味覚は舌咽神経が伝える。
舌の前2/3の味覚は「顔面神経(VII)の鼓索神経」が伝える。舌咽神経(IX)が担当するのは舌の後1/3の味覚であり、本選択肢は前後を取り違えた誤り。
✓ 4. 正しい
孤束核で中継される。
舌前2/3=顔面神経(VII)の鼓索神経、舌後1/3=舌咽神経(IX)、咽頭・喉頭蓋=迷走神経(X)と分担される味覚情報は、いずれも延髄の孤束核(特に上部、味覚部)で第二次ニューロンに中継される。その後、内側毛帯と並行して上行し、視床のVPM核(腹側基底核複合体)でさらに中継され、大脳皮質の味覚野(島皮質前部・前頭弁蓋部)に到達して味として認識される。「孤束核=味覚と内臓感覚の入口」「視床VPM=顔面領域の中継核」「島皮質=味覚野」という伝導路は感覚伝導路の基本中の基本であり、本選択肢が正解。
ポイント
  • 味覚伝導路:味細胞→VII(前2/3・鼓索)/IX(後1/3)/X(咽頭・喉頭蓋)→延髄孤束核→視床VPM→大脳皮質味覚野(島皮質)。
  • 覚え方のコツ: 「前2/3=鼓索(VII)」「後1/3=舌咽(IX)」「咽頭・喉頭蓋=迷走(X)」「終着=孤束核」と4点セットで覚える。VII→IX→Xと脳神経順に配列。
  • 関連知識: 基本味は5味=甘・塩・酸・苦・うま味(umami)。各味細胞は特定味覚に応答し、味物質→受容体→セカンドメッセンジャー→脱分極→神経伝達物質放出という機構で神経に伝達。
  • よくある間違い: 「舌前2/3=舌咽神経」「舌後1/3=顔面神経」と前後を取り違えるミスが頻発。VII=前、IX=後と神経番号小→大の順に前→後と覚える。
  • 臨床応用: 顔面神経麻痺(Bell麻痺等)では鼓索神経経由で舌前2/3の味覚低下を伴う。舌後1/3は舌咽神経領域で温存される。味覚障害の左右差・分布で病巣推定が可能。
比較表
味覚部位 担当神経 一次中枢
舌前2/3 顔面神経(VII)の鼓索神経 延髄孤束核
舌後1/3 舌咽神経(IX) 延髄孤束核
喉頭蓋・咽頭 迷走神経(X) 延髄孤束核
解説画像
鍼灸 第32回(2024) 問題23|味覚について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第32回(2024) 問題23|味覚について正しいのはどれか。
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