学習トップ理由で解く 解剖学第9章 ▸ B. 平衡聴覚器 / Q0730

理由で解く 解剖学

Q0730 感覚器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題32
問題
平衡斑があるのはどれか。
選択肢
1 前庭
2 蝸牛
3 鼓室
4 半規管
解答
正解1(前庭)
解説
✓ 1. 正しい
前庭
前庭は内耳骨迷路の中央部で、内部に膜迷路の卵形嚢と球形嚢の2つの袋がある。両袋の内面に平衡斑があり、表面のゼリー状平衡砂膜に乗った炭酸カルシウム結晶(耳石)の慣性により頭の傾きや直線方向の加速度が感受される。卵形嚢の平衡斑は水平面で水平加速度・頭部傾き、球形嚢の平衡斑は矢状面で重力・垂直加速度を主に担当する。前庭の側壁には前庭窓があり、アブミ骨底の振動を蝸牛の前庭階に伝える音響伝導の中継点でもある。前庭神経が平衡斑の有毛細胞情報を中枢へ送り、本選択肢が正解となる。
✗ 2. 誤り
蝸牛
蝸牛は内耳骨迷路の聴覚部位で、蝸牛管にコルチ器をもち聴覚を司る。平衡覚器ではなく、平衡斑は存在しない。
✗ 3. 誤り
鼓室
鼓室は中耳の空気腔で耳小骨3個を収める部位。感覚装置はなく、平衡斑も存在しない。中耳と内耳を混同しないことが重要。
✗ 4. 誤り
半規管
半規管は内耳の平衡覚器だが、感覚装置は膨大部稜(回転加速度)であり平衡斑ではない。平衡斑(直線)と膨大部稜(回転)は別構造である。
ポイント
  • 前庭は内耳骨迷路の中央部で、卵形嚢・球形嚢の2袋を含む。両袋の平衡斑が直線加速度・重力を感受する。
  • 覚え方のコツ: 「前庭の中身(卵形嚢・球形嚢)に平衡斑」「半規管の膨大部に膨大部稜」と部位×受容器をペアで暗記。
  • 関連知識: 前庭は前方の蝸牛と後方の半規管の玄関口(vestibulum=玄関)。側壁の前庭窓にアブミ骨底がはまり、聴覚伝導路の中継点でもある。
  • よくある間違い: 「前庭」は内耳の中央部の名前であって、女性生殖器の「腟前庭」とは無関係。同じ「前庭」という用語が複数の解剖部位に使われる点に注意。
  • 臨床応用: 前庭機能検査では温度刺激試験(カロリックテスト)が用いられる。外耳道に冷温水を注入し外側半規管の内リンパ流動を起こして眼振を観察する間接的検査法である。
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題32|平衡斑があるのはどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題32|平衡斑があるのはどれか。
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