
この図の解説
この図は眼球前部を縦に切った断面で、角膜・虹彩・水晶体に囲まれた「眼房」の空間関係を追うのが目的である。まず水晶体前方の空間が水晶体・虹彩を境に前後に分かれる点に注目する。虹彩と水晶体の間が後眼房、角膜と虹彩の間が前眼房であり、両者は中央の瞳孔でつながっている。眼房水は毛様体(毛様体突起)の内面上皮から分泌され、後眼房→瞳孔→前眼房へと流れ、角膜と強膜の境目にあたる前房隅角のシュレム管(強膜静脈洞)から眼静脈へ吸収される。図左でシュレム管が角膜・強膜の移行部に位置することを確認したい。この分泌と吸収の釣り合いが眼圧を保ち、流れが滞ると眼圧が上がって緑内障になる。虹彩には瞳孔括約筋(動眼神経=副交感)と瞳孔散大筋(交感神経)があり、瞳孔径を変えて眼に入る光量を調節する。
学習の要点
- 眼房水の循環路は「毛様体で分泌→後眼房→瞳孔→前眼房→シュレム管→眼静脈」の一方向で、水晶体をぐるりと前へ回り込む流れ。
- 覚え方のコツ:房の名は水晶体基準。「後ろ(水晶体側)が後眼房、前(角膜側)が前眼房」。分泌される後眼房がスタート地点。
- 関連知識:シュレム管=強膜静脈洞は角膜と強膜の境界(前房隅角)にあり、ここが詰まると眼圧上昇。角膜は血管がなく、栄養はこの眼房水から供給される。
- よくある間違い:眼房水を硝子体と混同しない。硝子体はゼリー状で水晶体より後方(網膜との間)を満たし、循環しない。眼房水は水様透明で循環する。
- 臨床応用:眼房水の分泌と吸収のバランスが崩れ眼圧が高まると緑内障。瞳孔括約筋を働かせる縮瞳薬は前房隅角を開き眼圧を下げる方向に働く。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
前眼房は角膜と( )との間の空間である。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 虹彩
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。