学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ K. 自律神経系 / Q0682

理由で解く 解剖学

Q0682 神経系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題30
問題
胸髄で交感神経節前ニューロンの細胞体が存在する部位はどれか。
選択肢
1 前角
2 側角
3 後角
4 白質
解答
正解2(側角)
解説
✗ 1. 誤り
前角
前角には体性運動ニューロン(α運動ニューロン・γ運動ニューロン)の細胞体があり、骨格筋を支配する。自律神経の節前ニューロンは前角ではなく側角に存在するため誤り。前角由来の軸索は前根を経由して骨格筋に達する。
✓ 2. 正しい
側角
胸髄〜上部腰髄(T1〜L2)の灰白質に存在する「側角(中間外側核)」に交感神経節前ニューロンの細胞体が存在する。ここから出た節前線維は前根から出て白交通枝を経由し交感神経幹に入り、幹神経節で節後ニューロンに交代するか、または交感神経幹を通り抜けて内臓神経(大内臓神経・小内臓神経など)となり腹腔神経節・上下腸間膜神経節で交代する。仙髄(S2〜S4)側角にも副交感節前ニューロンがあり、「側角=自律神経節前ニューロンの定位置」という原則を押さえる。なお頸髄・下部腰髄・仙髄上部には側角は発達していない。
✗ 3. 誤り
後角
後角には体性感覚・内臓感覚のニューロンがあり、後根から入ってきた求心性線維の終末・中継ニューロンが集まる場所である。節前線維の起始核ではなく二次感覚ニューロンの所在地であるため誤り。
✗ 4. 誤り
白質
白質は灰白質の周囲を取り巻く神経線維(伝導路)の集合であり、細胞体ではなく軸索が通る領域。交感神経節前ニューロンの細胞体は灰白質の「側角」にあるため誤り。白質には前索・側索・後索の3領域があり、皮質脊髄路や脊髄視床路などの上行・下行路が通る。
ポイント
  • 交感神経節前ニューロンの細胞体は、胸髄〜上部腰髄(T1〜L2)の「側角」(中間外側核)に存在する。前角は運動、後角は感覚、側角は自律神経。
  • 覚え方のコツ: 「前=運動・後=感覚・側=自律」と灰白質3角の機能を一括で記憶。側角は胸腰髄と仙髄(副交感)にのみ発達し、頸髄・下腰髄・上仙髄にはない。
  • 関連知識: 側角は別名「中間外側核」。T1〜L2側角が交感、S2〜S4側角が副交感(骨盤内臓神経の起始核)。節前線維は前根→白交通枝→交感神経幹へ入る。
  • よくある間違い: 「側角」と白質の「側索」を混同/前角(運動)と側角(自律)を取り違え/仙髄側角まで交感と誤解する。
  • 臨床応用: 脊髄損傷でT6以上の高位が障害されると自律神経過反射(autonomic dysreflexia)が発生し、膀胱充満や排便刺激で発作性高血圧・徐脈をきたす。多系統萎縮症(Shy-Drager症候群)では側角ニューロン変性により起立性低血圧・排尿障害が出現。
比較表
脊髄灰白質 含まれる主要細胞体 機能
前角 α・γ運動ニューロン 骨格筋の運動支配
側角(T1〜L2) 交感神経節前ニューロン 交感神経の起始核
側角(S2〜S4) 副交感神経節前ニューロン 骨盤内臓神経の起始核
後角 二次感覚ニューロン 感覚情報の中継
白質(前索・側索・後索) 軸索(伝導路) 上行路・下行路の通過
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題30|胸髄で交感神経節前ニューロンの細胞体が存在する部位はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題30|胸髄で交感神経節前ニューロンの細胞体が存在する部位はどれか。
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