学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ K. 自律神経系 / Q0680

理由で解く 解剖学

Q0680 神経系

出典:鍼灸 第33回(2025) 問題23
問題
交感神経について正しいのはどれか。
選択肢
1 瞳孔括約筋を支配する。
2 節前線維は白交通枝を通る。
3 節後線維はアドレナリンを分泌する。
4 節前ニューロンの細胞体は脊髄前角に位置する。
解答
正解2(節前線維は白交通枝を通る。)
解説
✗ 1. 誤り
瞳孔括約筋を支配する。
瞳孔括約筋は虹彩の括約筋で、副交感神経(動眼神経のエディンガー・ウェストファル核由来、毛様体神経節で中継)の支配で収縮し縮瞳を起こす。交感神経が支配するのは瞳孔散大筋(散瞳)であり、本記述は交感と副交感を取り違えた誤りで、本問の答えではない。
✓ 2. 正しい
節前線維は白交通枝を通る。
交感神経節前線維は胸髄Th1~L2の側角から起こり、前根を通って脊髄を出た後、白交通枝(白色交通枝)を介して交感神経幹(傍脊柱神経節)に入る。白交通枝の名称は有髄線維(B線維)が多く色調が白く見えることに由来する。節前線維は交感神経節でシナプスを形成するか、さらに上下に走って別レベルでシナプスを形成し、その節後線維が灰白交通枝として脊髄神経に戻って末梢に分布する。記述は正しく、本問の答えとなる。
✗ 3. 誤り
節後線維はアドレナリンを分泌する。
交感神経節後線維の末端から放出される神経伝達物質は主にノルアドレナリン(ノルエピネフリン)であり、アドレナリンではない。アドレナリンを分泌するのは副腎髄質のクロマフィン細胞で、これは交感神経節前線維に直接支配される変性した節後細胞相当の内分泌細胞である。節後線維=アドレナリンとする記述は誤りのため、本問の答えではない。汗腺支配は例外でアセチルコリンを用いる。
✗ 4. 誤り
節前ニューロンの細胞体は脊髄前角に位置する。
交感神経節前ニューロンの細胞体は脊髄の側角(胸髄Th1~腰髄上部L2の中間外側核)にあり、前角ではない。前角には骨格筋を支配するα・γ運動ニューロンがある。側角と前角を混同した誤りのため、本問の答えではない。副交感神経仙髄分のみ仙髄S2-S4の側角に細胞体がある。
ポイント
  • 交感神経節前線維はTh1-L2の側角→前根→白交通枝→交感神経幹のルートをとり、節後線維はノルアドレナリンを分泌する。
  • 覚え方のコツ: 「白=有髄で見た目が白/灰白=無髄で色が灰」と交通枝2種の色の由来を覚える。白が行き、灰が帰る(灰交通枝は節後線維が脊髄神経に戻る)。
  • 関連知識: 瞳孔散大筋(散瞳)は交感、瞳孔括約筋(縮瞳)は副交感。副腎髄質はアドレナリン+ノルアドレナリンを分泌(交感節前線維に直接支配)。汗腺支配は交感例外でアセチルコリン。
  • よくある間違い: 瞳孔括約筋を交感支配と誤認/節後線維伝達物質をアドレナリンと誤る(正しくはノルアドレナリン)/節前ニューロン細胞体を前角と誤る(正しくは側角)。
  • 臨床応用: ホルネル症候群は交感神経遠心路(視床下部→脊髄側角→上頸神経節→顔面)の障害で、同側の縮瞳・眼瞼下垂・顔面発汗低下を生じる。パンコースト腫瘍や頸部外傷が原因となる。
比較表
項目 交感神経 副交感神経
節前ニューロン細胞体 側角Th1-L2 脳幹(III・VII・IX・X)+仙髄S2-S4
節の位置 交感神経幹(脊柱近傍) 効果器近傍
節前線維 短い/白交通枝 長い
節後線維伝達物質 ノルアドレナリン(汗腺例外) アセチルコリン
瞳孔 散大筋(散瞳) 括約筋(縮瞳)
解説画像
鍼灸 第33回(2025) 問題23|交感神経について正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第33回(2025) 問題23|交感神経について正しいのはどれか。
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