学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0655

理由で解く 解剖学

Q0655 神経系

出典:あマ指 第19回(2011) 問題31
問題
下肢の筋で仙骨神経叢から起こる神経に支配されるのはどれか。
選択肢
1 薄筋
2 恥骨筋
3 腸腰筋
4 中殿筋
解答
正解4(中殿筋)
解説
✗ 1. 誤り
薄筋
薄筋は恥骨下枝から起こり脛骨内側顆に停止する長い内転筋で、閉鎖神経前枝(L2-L4)に支配される。閉鎖神経は腰神経叢の枝であり、仙骨神経叢ではない。
✗ 2. 誤り
恥骨筋
恥骨筋は恥骨上枝から起こり大腿骨粗線下方内側の恥骨筋線に停止する内転筋で、大腿神経(L2-L4)が主に支配し、閉鎖神経枝が副次的に加わる二重支配を受ける。いずれも腰神経叢であり、仙骨神経叢ではない。
✗ 3. 誤り
腸腰筋
腸腰筋(大腰筋+腸骨筋)は腰神経叢の筋枝(L1-L3)と大腿神経(L2-L4)により支配される股関節最強の屈筋である。腰神経叢の枝であり、仙骨神経叢由来ではない。
✓ 4. 正しい
中殿筋
中殿筋は腸骨翼外面から起こり大腿骨大転子外側面に停止する主要な外転筋で、仙骨神経叢の枝である「上殿神経(L4-S1)」に支配される。上殿神経は梨状筋上孔を通って殿部に至り、中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋を一括して支配する。中殿筋麻痺では立脚期に骨盤が健側へ傾く「トレンデレンブルグ徴候」が陽性となり、歩行時の特徴的な跛行(Duchenne歩行・トレンデレンブルグ歩行)を呈する。仙骨神経叢支配の下肢筋の代表例である。
ポイント
  • 中殿筋=上殿神経支配=仙骨神経叢由来。立脚期の骨盤水平保持にはたらき、麻痺でトレンデレンブルグ歩行を呈する。
  • 覚え方のコツ: 「殿筋は殿神経、前は腰(腰神経叢)、後は仙(仙骨神経叢)」と腰/仙で前後対比。
  • 関連知識: 上殿神経は中殿筋・小殿筋・大腿筋膜張筋、下殿神経は大殿筋のみを支配する。殿筋の外転作用は大殿筋>中殿筋>小殿筋の順で強い。
  • よくある間違い: 中殿筋を下殿神経支配と誤る/腸腰筋を仙骨神経叢由来と取り違える。
  • 臨床応用: 上殿神経損傷(骨盤骨折・股関節後方脱臼・THA手術など)では中殿筋・小殿筋麻痺によりトレンデレンブルグ徴候が陽性となる。
解説画像
あマ指 第19回(2011) 問題31|下肢の筋で仙骨神経叢から起こる神経に支配されるのはどれか。 解説図
あマ指 第19回(2011) 問題31|下肢の筋で仙骨神経叢から起こる神経に支配されるのはどれか。
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