学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ J. 脊髄神経 / Q0644

理由で解く 解剖学

Q0644 神経系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題33
問題
副交感神経線維を含む脊髄神経はどれか。
選択肢
1 頸神経
2 胸神経
3 腰神経
4 仙骨神経
解答
正解4(仙骨神経)
解説
✗ 1. 誤り
頸神経
頸神経(C1-C8)は前根に運動ニューロン、後根に感覚ニューロンを含む体性神経で、自律神経の節前線維は含まない。頸部領域の副交感神経性支配は脳神経(動眼神経・顔面神経・舌咽神経・迷走神経)が担う。
✗ 2. 誤り
胸神経
胸神経(T1-T12)は交感神経の節前線維を前根(白交通枝経由で交感神経幹へ)に含むが、副交感神経線維は含まない。交感神経の脊髄中枢は胸髄・上部腰髄(T1-L2)の側角(中間外側核)にある。
✗ 3. 誤り
腰神経
腰神経(L1-L5)のうち、L1-L2までは交感神経節前線維を前根に含むが(胸腰系の下端)、副交感神経線維は含まない。L3以下は自律神経の節前線維を欠く純粋な体性神経である。
✓ 4. 正しい
仙骨神経
仙骨神経のうちS2-S4の前根には副交感神経節前線維(骨盤内臓神経、仙髄副交感)が含まれる。副交感神経は脳幹系(第3・7・9・10脳神経)と仙髄系の二つに分かれるが、脊髄神経レベルで副交感神経を含むのは仙骨神経のみである。骨盤内臓神経は下腹神経叢で節後ニューロンに中継され、膀胱の排尿筋収縮、直腸の排便運動、陰茎・陰核の勃起などを制御する。排尿・排便・性機能の骨盤系反射の遠心路である。
ポイント
  • 副交感神経の節前ニューロンは脳幹(動眼・顔面・舌咽・迷走神経核)と仙髄(S2-S4側角)の二か所に存在し、胸髄・腰髄にはない。
  • 覚え方のコツ: 「交感=T1-L2(胸腰系)、副交感=脳幹+S2-S4(頭仙系)」と左右対比で覚える。
  • 関連知識: 仙髄副交感の遠心路は骨盤内臓神経。節後線維は膀胱壁・直腸壁・生殖器の壁内神経節で切り替わり、M3受容体(アセチルコリン)を介して作用する。
  • よくある間違い: 「副交感は仙骨神経全体に含まれる」と誤る(S2-S4のみ)/交感神経が仙髄にもあると誤認する。
  • 臨床応用: S2-S4の損傷(馬尾症候群など)では神経因性膀胱(排尿困難・尿閉)、便秘、勃起障害などの骨盤内臓機能障害を生じる。
比較表
部位 節前線維の起始 主な支配器官
動眼神経(Ⅲ) 中脳 動眼神経副核(Edinger-Westphal核) 瞳孔括約筋・毛様体筋
顔面神経(Ⅶ) 橋 上唾液核 涙腺・顎下腺・舌下腺
舌咽神経(Ⅸ) 延髄 下唾液核 耳下腺
迷走神経(Ⅹ) 延髄 迷走神経背側核・疑核 頸部・胸腹部臓器(下行結腸手前まで)
仙髄副交感(骨盤内臓神経) S2-S4 側角 下行結腸・S状結腸・直腸・膀胱・生殖器
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題33|副交感神経線維を含む脊髄神経はどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題33|副交感神経線維を含む脊髄神経はどれか。
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