学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0607

理由で解く 解剖学

Q0607 神経系

出典:鍼灸 第26回(2018) 問題25
問題
脳神経と機能の組み合わせで正しいのはどれか。
選択肢
1 動眼神経――――角膜の痛覚
2 下顎神経――――舌の痛覚
3 顔面神経――――顔面の触覚
4 舌咽神経――――舌の運動
解答
正解2(下顎神経――――舌の痛覚)
解説
✗ 1. 誤り
動眼神経――――角膜の痛覚
動眼神経(III)は眼球運動と縮瞳・調節を担う運動性+副交感性の神経で、感覚成分は持たない。角膜の痛覚は三叉神経第1枝=眼神経(V1)が担い、角膜反射の求心路となる。
✓ 2. 正しい
下顎神経――――舌の痛覚
舌前2/3の「一般感覚(触・痛・温覚)」は三叉神経第3枝である下顎神経(V3)の枝「舌神経」が担当する。下顎神経は卵円孔から側頭下窩に出て舌神経を分岐し、舌に到達して触・痛・温覚を伝える。なお舌神経は途中で顔面神経の枝である鼓索神経と合流するため、舌前2/3の「味覚」は鼓索神経(VII)、「一般感覚(痛覚を含む)」は舌神経(V3)という二重支配になる点が要注意。舌後1/3の痛覚は舌咽神経(IX)、喉頭蓋以遠は迷走神経(X)が担う。
✗ 3. 誤り
顔面神経――――顔面の触覚
顔面神経(VII)は表情筋の運動と舌前2/3の味覚・涙腺や唾液腺の分泌を担うが、顔面の「触覚」は担当しない。顔面皮膚の触覚は三叉神経の3枝(V1・V2・V3)が区分支配し、VII は運動性+感覚(味覚)+副交感の混合だが一般感覚は含まない。
✗ 4. 誤り
舌咽神経――――舌の運動
舌咽神経(IX)は舌後1/3の味覚・一般感覚、咽頭粘膜の感覚、咽頭筋の一部(茎突咽頭筋)の運動、耳下腺分泌を担うが、舌そのものの「運動」は担当しない。舌の運動は舌下神経(XII)が外舌筋・内舌筋をまとめて支配する。
ポイント
  • 舌前2/3の痛覚は下顎神経(V3)の舌神経が担う。味覚は VII、運動は XII と、同じ舌でも機能ごとに担当神経が異なる。
  • 覚え方のコツ: 「V=感覚/VII=味と涙・唾/IX=咽+耳下腺/XII=舌運動」と役割を神経番号ごとに分けて覚える。
  • 関連知識: 舌神経は側頭下窩で鼓索神経と合流し、両神経の線維束が混在したまま舌に向かう。解剖学的には1本だが機能的には二系統が並走する。
  • よくある間違い: 「舌=舌咽神経」と短絡して味覚・痛覚・運動まで IX と誤認するミス。舌咽神経が担うのは舌の「後方」のみ。
  • 臨床応用: 下顎神経ブロックや下顎骨折では舌神経損傷を起こし、舌前2/3の「しびれ・味覚低下(鼓索神経合流部より末梢)」が生じうる。歯科口腔外科で要注意。
比較表
脳神経 主な機能
III 動眼 眼球運動・縮瞳・調節
V3 下顎 下顎感覚・舌前2/3一般感覚・咀嚼筋運動
VII 顔面 表情筋運動・舌前2/3味覚・涙腺/顎下腺分泌
IX 舌咽 舌後1/3味覚/感覚・咽頭感覚・耳下腺分泌
XII 舌下 舌筋運動
解説画像
鍼灸 第26回(2018) 問題25|脳神経と機能の組み合わせで正しいのはどれか。 解説図
鍼灸 第26回(2018) 問題25|脳神経と機能の組み合わせで正しいのはどれか。
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