学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0606

理由で解く 解剖学

Q0606 神経系

出典:あマ指 第26回(2018) 問題17
問題
脳神経と通過する部位の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 視神経―――上眼窩裂
2 下顎神経――正円孔
3 顔面神経――内耳孔
4 舌下神経――頸静脈孔
解答
正解3(顔面神経――内耳孔)
解説
✗ 1. 誤り
視神経―――上眼窩裂
視神経(II)は蝶形骨小翼基部の「視神経管」を眼動脈とともに通過して眼窩に至る。上眼窩裂を通るのは III・IV・V1・VI と眼静脈で、視神経だけは独立した視神経管を通る。両者の位置関係は近いが別孔である。
✗ 2. 誤り
下顎神経――正円孔
下顎神経(V3)は蝶形骨の「卵円孔」から側頭下窩へ出る。正円孔を通るのは上顎神経(V2)で、ここを抜けて翼口蓋窩へ向かう。V1=上眼窩裂、V2=正円孔、V3=卵円孔と三枝で出孔が異なる。
✓ 3. 正しい
顔面神経――内耳孔
顔面神経(VII)は橋下面外側から出たのち内耳神経(VIII)とともに側頭骨錐体部後面の「内耳孔」に入り、内耳道を経由してから顔面神経管に移行し、最終的に茎乳突孔から頭蓋外に出る。VII と VIII が同じ孔を通るため、小脳橋角部腫瘍(聴神経鞘腫など)では両者が同時に障害されて聴力低下と顔面麻痺が併発しやすい。内耳孔を通るもう1つの重要構造は迷路動脈である。
✗ 4. 誤り
舌下神経――頸静脈孔
舌下神経(XII)は後頭骨の「舌下神経管」を通って頭蓋外に出る。頸静脈孔を通るのは IX(舌咽神経)・X(迷走神経)・XI(副神経)の3本と内頸静脈・S状静脈洞・下錐体静脈洞で、舌下神経はここを通らない。
ポイント
  • 顔面神経は内耳神経とともに内耳孔→内耳道→顔面神経管→茎乳突孔という長い経路を経て頭蓋外に出る。
  • 覚え方のコツ: 三叉神経の3枝は「V1上眼窩裂・V2正円孔・V3卵円孔」を「1・2・3で上・正・卵」のリズムで暗記。
  • 関連知識: 頸静脈孔は IX・X・XI の3神経+静脈を通す複合孔で側頭骨と後頭骨の境にできる。XII はその内側の舌下神経管を通る。
  • よくある間違い: XII を頸静脈孔と誤認するミスが頻出。後頭骨内にある「舌下神経管」が正解であり、位置は頸静脈孔より前内側にある。
  • 臨床応用: 顔面神経管内で起こる帯状疱疹(ラムゼイ・ハント症候群)では顔面麻痺に耳介帯状疱疹・味覚障害・聴覚過敏を伴う。VII の走行を理解すると症状が一元的に説明できる。
比較表
脳神経 出孔
I 嗅 篩板(篩骨)
II 視 視神経管(蝶形骨)
III・IV・V1・VI 上眼窩裂(蝶形骨)
V2 正円孔(蝶形骨)
V3 卵円孔(蝶形骨)
VII・VIII 内耳孔→内耳道(側頭骨)
IX・X・XI 頸静脈孔(側頭骨+後頭骨)
XII 舌下神経管(後頭骨)
解説画像
あマ指 第26回(2018) 問題17|脳神経と通過する部位の組合せで正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第26回(2018) 問題17|脳神経と通過する部位の組合せで正しいのはどれか。
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