学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0605

理由で解く 解剖学

Q0605 神経系

出典:あマ指 第23回(2015) 問題26
問題
副交感神経線維を含む神経はどれか。
選択肢
1 動眼神経
2 滑車神経
3 外転神経
4 副神経
解答
正解1(動眼神経)
解説
✓ 1. 正しい
動眼神経
動眼神経(III)は「運動性」と「副交感性」の両方を持つ混合神経で、眼球運動関連の3神経(III・IV・VI)の中で副交感を含むのは III のみである。副交感線維は中脳の動眼神経副核(エディンガー・ヴェストファル核)を起始核として節前線維を送り、眼窩内の毛様体神経節で節後線維にシナプス交代したのち短毛様神経として瞳孔括約筋と毛様体筋に分布して、縮瞳と近見反射(遠近調節)を担う。これは対光反射の遠心路でもあり、脳幹障害や脳ヘルニアでは初期徴候として瞳孔異常が現れる機序の根幹にあたる。
✗ 2. 誤り
滑車神経
滑車神経(IV)は上斜筋のみを支配する純粋運動性の脳神経で、副交感線維は含まない。中脳背面から出る唯一の脳神経かつ最も細い脳神経であり、完全麻痺では内上方偏位と複視(下方視時に増強)をきたす。
✗ 3. 誤り
外転神経
外転神経(VI)は外側直筋のみを支配する純粋運動性の脳神経で副交感を含まない。橋下縁から出て斜台を長く走行するため頭蓋内圧亢進に脆弱で、麻痺で患側内斜視と外転障害が生じる。
✗ 4. 誤り
副神経
副神経(XI)は胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する純粋運動性の脳神経で、副交感線維は含まない。延髄根と脊髄根の合成構造で、脊髄根が主体をなす特異な発生経路を持つ運動神経である。
ポイント
  • 副交感線維を持つ脳神経は III・VII・IX・X の4つ。選択肢では III 動眼神経のみが該当する。
  • 覚え方のコツ: 「3・7・9・10 が副交感(さ・な・く・じゅう)」。外眼運動神経の3対(III・IV・VI)のうち副交感を持つのは III だけ。
  • 関連知識: III は中脳、VII・IX・X は延髄近傍(橋下部・延髄)を起始核とする。副交感節前線維はすべて標的の近くで節後線維に交代する。
  • よくある間違い: 副神経を「副」=副交感と語感から誤認するミス。副神経は XI 番目の脳神経で胸鎖乳突筋・僧帽筋を支配する純運動神経。
  • 臨床応用: 動眼神経麻痺では外下方偏位・眼瞼下垂に加えて「散瞳・対光反射消失」が出現する。瞳孔異常の有無が脳幹病変とミオパチーを鑑別するポイント。
比較表
脳神経 運動 感覚 副交感
III 動眼 -
IV 滑車 - -
VI 外転 - -
XI 副神経 - -
XII 舌下 - -
解説画像
あマ指 第23回(2015) 問題26|副交感神経線維を含む神経はどれか。 解説図
あマ指 第23回(2015) 問題26|副交感神経線維を含む神経はどれか。
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