学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0586

理由で解く 解剖学

Q0586 神経系

出典:鍼灸 第13回(2005) 問題31
問題
頸静脈孔を通らないのはどれか。
選択肢
1 顔面神経
2 舌咽神経
3 迷走神経
4 副神経
解答
正解1(顔面神経)
解説
✓ 1. 誤り
顔面神経
顔面神経VIIは橋下面から出たのち、内耳神経とともに側頭骨錐体の内耳孔から内耳道に入り、顔面神経管を通って中耳の内壁を迂回し、最終的に茎乳突孔から頭蓋外へ出る。頸静脈孔は通らない。したがって「頸静脈孔を通らない」という問題の条件に合致する。
✗ 2.
舌咽神経
✗ 正しい。 舌咽神経IXは延髄上部外側から出て、迷走神経X・副神経XIとともに頸静脈孔を通って頭蓋外へ出る。頸静脈孔内には感覚性の上神経節・下神経節があり、味覚や咽頭粘膜の感覚を伝える神経細胞体が含まれる。
✗ 3.
迷走神経
✗ 正しい。 迷走神経Xは延髄外側から出て、舌咽神経・副神経とともに頸静脈孔を通って頭蓋外へ出る。頸静脈孔内に感覚性の上・下神経節を形成し、頭蓋外では内頸静脈と総頸動脈の間の頸動脈鞘内を下行する。
✗ 4.
副神経
✗ 正しい。 副神経XIは延髄由来の脳根と上位頸髄由来の脊髄根が合流して形成され、舌咽神経・迷走神経とともに頸静脈孔を通って頭蓋外へ出る。頭蓋外では胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する。
ポイント
  • 頸静脈孔を通る脳神経は「IX舌咽・X迷走・XI副」の3本(9・10・11)。顔面神経VII(7)は内耳孔→顔面神経管→茎乳突孔を通るので、頸静脈孔は通らない。
  • 覚え方のコツ: 「9・10・11は頸静脈孔トリオ」と番号で記憶。頸静脈孔には内頸静脈も通り、神経はその前方内側を通過する。7番(顔面神経)は内耳神経8番と一緒に内耳孔コンビ、と連番ペアで覚える。
  • 関連知識: 頭蓋底を通る脳神経の通過孔は、前頭蓋窩から順に、篩板(I嗅)→視神経管(II視)→上眼窩裂(III・IV・V1・VI)→正円孔(V2)→卵円孔(V3)→内耳孔(VII・VIII)→頸静脈孔(IX・X・XI)→舌下神経管(XII)。
  • よくある間違い: 顔面神経VIIの経路を「茎乳突孔だけ」と誤記憶して頸静脈孔通過と勘違いする誤り/舌下神経XIIを頸静脈孔通過と誤解する誤り(XIIは舌下神経管)/副神経XIを脊髄神経と混同し頸静脈孔を通らないと誤解する誤り。
  • 臨床応用: 頸静脈孔周辺の腫瘍(頸静脈孔症候群・Vernet症候群)ではIX・X・XIが同時障害され、嚥下障害・嗄声(反回神経麻痺)・胸鎖乳突筋/僧帽筋麻痺が三徴として出現する。頭蓋底骨折の部位診断にも通過神経の知識が必須。
比較表
通過孔 通過する脳神経
篩板 I 嗅神経
視神経管 II 視神経
上眼窩裂 III 動眼・IV 滑車・V1 眼・VI 外転
正円孔 V2 上顎神経
卵円孔 V3 下顎神経
内耳孔 VII 顔面・VIII 内耳
頸静脈孔 IX 舌咽・X 迷走・XI 副
舌下神経管 XII 舌下
解説画像
鍼灸 第13回(2005) 問題31|頸静脈孔を通らないのはどれか。 解説図
鍼灸 第13回(2005) 問題31|頸静脈孔を通らないのはどれか。
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