学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ I. 脳神経 / Q0578

理由で解く 解剖学

Q0578 神経系

出典:あマ指 第10回(2002) 問題35
問題
顔面の感覚に関与する脳神経はどれか。
選択肢
1 滑車神経
2 三叉神経
3 顔面神経
4 副神経
解答
正解2(三叉神経)
解説
✗ 1. 誤り
滑車神経
滑車神経(IV)は上斜筋1筋のみを支配する純運動性神経で、感覚線維は持たない。脳神経中唯一脳幹背側から出ることと、最も細いことで知られ、顔面の感覚には関与しない。
✓ 2. 正しい
三叉神経
三叉神経(V)は顔面全体の皮膚感覚(痛覚・温度覚・触覚・圧覚)と口腔・鼻腔粘膜感覚・歯の感覚・舌前2/3の一般感覚を担う最大の感覚性脳神経である。半月神経節(三叉神経節)から3枝に分かれ、眼神経(V1)は上眼窩裂を通り眼裂より上方(前額・鼻背・上眼瞼)、上顎神経(V2)は正円孔を通り眼裂と口裂の間(頬部・上口唇)、下顎神経(V3)は卵円孔を通り口裂より下方(下顎・下口唇)と、上・中・下3段に顔面皮膚を分担する。運動性には下顎神経に合流する運動根があり、咀嚼筋を支配する。脳神経中で最も太く、顔面感覚の第一担当神経であることを押さえておく。
✗ 3. 誤り
顔面神経
顔面神経(VII)の名称は紛らわしいが、顔面の皮膚感覚には関与しない。顔面の表情筋を「動かす」運動神経であり、加えて舌前2/3味覚と涙腺・顎下腺・舌下腺への副交感支配を担う。顔面感覚=V、顔面運動=VIIと役割を区別する。
✗ 4. 誤り
副神経
副神経(XI)は頸静脈孔を通って胸鎖乳突筋と僧帽筋を支配する純運動性神経で、感覚線維は含まない。頸部・肩の運動(首の回旋や肩の挙上)を担い、顔面の感覚とは関係しない。
ポイント
  • 顔面感覚を担うのは三叉神経(V)。V1眼神経(上)・V2上顎神経(中)・V3下顎神経(下)の3枝で顔面を上下3段に分担する。
  • 覚え方のコツ: 「顔の感覚=5(V=three叉)/顔の運動=7(VII=seven)」と数字と機能をリンクさせる。三叉=trigeminalの「tri」=3枝と覚える。
  • 関連知識: 角膜反射の求心路はV1眼神経、遠心路はVII顔面神経(眼輪筋)。V障害では反射消失(感覚欠落)、VII障害では閉眼不能(運動欠落)となり区別できる。
  • よくある間違い: 「顔面神経」の名前にひかれて顔面感覚も担当と誤認しやすい。顔面神経は顔の「運動・分泌」担当で、感覚はあくまで三叉神経である。
  • 臨床応用: 三叉神経痛は電撃痛が顔面に発作性に走る疾患で、V2・V3領域に好発する。血管による神経圧迫が原因のことが多く、微小血管減圧術やカルバマゼピン内服で治療する。
解説画像
あマ指 第10回(2002) 問題35|顔面の感覚に関与する脳神経はどれか。 解説図
あマ指 第10回(2002) 問題35|顔面の感覚に関与する脳神経はどれか。
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