学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ H. 伝導路 / Q0552

理由で解く 解剖学

Q0552 神経系

出典:あマ指 第14回(2006) 問題29
問題
痛覚の伝導路と関係ないのはどれか。
選択肢
1 脊髄神経
2 脊髄前角
3 脊髄後角
4 視床
解答
正解2(脊髄前角)
解説
✗ 1.
脊髄神経
✗ 正しい。 脊髄神経は前根(運動)と後根(感覚)が合して形成されるため、皮膚の侵害受容器からの痛覚一次線維は後根→脊髄神経を経由して脊髄後角に入る。伝導路に関係する部位であり、本問の答えではない。
✓ 2. 誤り
脊髄前角
脊髄前角には骨格筋を支配するα・γ運動ニューロンが集まり、下行性運動指令を受けて骨格筋へ出力する部位である。痛覚は感覚の伝導路であり、経路は後根→後角→前交連交叉→対側側索(外側脊髄視床路)を上行するため、前角は痛覚伝導路と関係しない。したがって本問「関係ないのはどれか」の答えとなる。前角=運動、後角=感覚、という脊髄灰白質の機能局在を明確に区別する。
✗ 3.
脊髄後角
✗ 正しい。 後角は後根から入る痛覚・温度覚・触覚線維を受ける感覚ニューロンが集まる部位で、一次ニューロン(後根神経節)からのシナプスを受けて二次ニューロンが起こる重要な中継点である。痛覚伝導路の中核要素であり、本問の答えではない。
✗ 4.
視床
✗ 正しい。 視床(特に後外側腹側核VPL)は痛覚を含む体性感覚の三次ニューロンへの中継核で、ここから視床皮質路が内包後脚を通って中心後回(一次体性感覚野)へ投射する。痛覚伝導路の重要な中継点であり、本問の答えではない。
ポイント
  • 痛覚伝導路は脊髄神経→後根→脊髄後角→前交連交叉→対側側索(外側脊髄視床路)→視床VPL→内包後脚→中心後回。脊髄前角は運動の座で無関係。
  • 覚え方のコツ: 「前角=出力(運動)、後角=入力(感覚)」の入出力モデルで記憶。痛覚は「後ろから入って前で交差して上る」と動きをイメージ。
  • 関連知識: 外側脊髄視床路は温痛覚、前脊髄視床路は粗い触圧覚。脊髄後索路は深部感覚と識別性触覚で延髄で交叉する点が対照的。
  • よくある間違い: 前角を痛覚伝導路と誤認/後角を運動の座と取り違える/視床を運動中継核と誤る(視床はほぼ全感覚の中継核)。
  • 臨床応用: 脊髄空洞症は中心管近傍の空洞形成で前交連を横切る外側脊髄視床路線維が早期に障害され、病変レベルの皮膚分節で温痛覚のみ消失(解離性感覚障害、触覚は保たれる)する特徴がある。
比較表
部位 痛覚伝導路との関係 役割
脊髄神経 関係あり 後根として一次線維通過
脊髄前角 関係なし 骨格筋支配(運動)
脊髄後角 関係あり 二次ニューロン起始
視床 関係あり 三次ニューロン中継
外側脊髄視床路 関係あり 対側側索上行
解説画像
あマ指 第14回(2006) 問題29|痛覚の伝導路と関係ないのはどれか。 解説図
あマ指 第14回(2006) 問題29|痛覚の伝導路と関係ないのはどれか。
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