
この図の解説
この図は、卵巣皮質で1個の卵胞がたどる一生を、左上から右下へ①原始卵胞→②一次卵胞→③二次卵胞→④胞状卵胞→⑤グラーフ卵胞(成熟卵胞)→⑥排卵→⑦黄体→⑧白体の順に並べたものである。まず注目すべきは、卵子を取り囲む卵胞上皮細胞の変化である。①では一層で扁平だった上皮が、②で立方状になり、③では重層化して顆粒層をつくる。④になると顆粒層の内部に卵胞液がたまった卵胞腔が現れ、周囲に卵胞膜が形成される。⑤では卵胞腔が大きく広がり、卵子は壁の一方に寄って卵丘をつくる。⑥はLHサージを受けて卵胞が破れ、卵子が腹腔へ放出される瞬間を示す。排卵後の残った卵胞は⑦黄体へと姿を変え、放射状の構造がプロゲステロン分泌の場となる。受精・着床が起こらなければ⑧のように退縮して白体となる。図全体を貫く2つのテーマは「上皮の増殖と卵胞腔の出現」という形態変化と、④以降のエストロゲン→黄体のプロゲステロンという内分泌の切り替えである。
学習の要点
- 卵胞の発育順は原始→一次→二次→胞状→成熟(グラーフ)卵胞で、卵胞上皮が単層扁平から立方・重層へ増殖し、やがて内部に卵胞腔が生じる過程である。
- 覚え方のコツ:「げん・いち・に・ほう・グ」と5段階を唱え、④胞状で腔ができ⑤グラーフで最大、と腔の変化に注目すると順序を忘れにくい。
- 関連知識:胞状卵胞・成熟卵胞の卵胞膜からはエストロゲン(卵胞ホルモン)、排卵後の黄体からはプロゲステロン(黄体ホルモン)が分泌される。
- よくある間違い:排卵は「卵管へ直接出る」ではなく、いったん腹腔へ放出され卵管采に拾われて卵管に入る。また白体は黄体が退縮したもので、順序を逆にしない。
- 臨床応用:受精・着床すれば黄体は妊娠黄体として存続し、着床しなければ月経黄体となって約10〜12日で退縮し白体となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
排卵直前の最も成熟した卵胞を( )卵胞といい、成熟卵胞とも呼ばれる。空欄に入る語を答えよ。
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答え: グラーフ
排卵後の卵胞は顆粒層や卵胞膜が変化して黄体となり、( )というホルモンを分泌する。空欄に入るホルモン名を答えよ。
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答え: プロゲステロン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。