学習トップ理由で解く 解剖学第8章 ▸ A. 神経系の構成 / Q0486

理由で解く 解剖学

Q0486 神経系

出典:鍼灸 第1回(1993) 問題30
問題
誤っているのはどれか。
選択肢
1 末梢有髄神経の髄鞘はシュワン細胞が形成する。
2 脳脊髄膜は硬膜、くも膜、軟膜の三層の膜からなる。
3 脊髄神経節は前根に属する。
4 脊髄神経はすべて混合神経である。
解答
正解3(脊髄神経節は前根に属する。)
解説
✗ 1.
末梢有髄神経の髄鞘はシュワン細胞が形成する。
✗ 正しい。 末梢神経の軸索を取り巻き髄鞘を形成するのはシュワン細胞であり、1個のシュワン細胞が1本の軸索の1節を担当する。この記述は正しいため、「誤っているのはどれか」という問いの答えとはならない。中枢神経の髄鞘を形成するのはオリゴデンドロサイトであり、こちらは1個で複数の軸索を担当する点と対比して覚えるとよい。
✗ 2.
脳脊髄膜は硬膜、くも膜、軟膜の三層の膜からなる。
✗ 正しい。 脳と脊髄を包む髄膜は、外側から硬膜・クモ膜・軟膜の三層で構成される。クモ膜下腔には脳脊髄液が循環し、脳を浮かせて外力から保護する。この記述は正しいため、問いの答えではない。
✓ 3. 誤り
脊髄神経節は前根に属する。
脊髄神経節は後根(背側根)上のふくらみであり、感覚神経(求心性ニューロン)の細胞体が集まってできる。前根は前角の運動神経細胞の軸索が通る経路で、神経節は存在しない。したがって「脊髄神経節は前根に属する」という記述は事実と食い違い、本問「誤っているのはどれか」の答えとなる。後根=感覚=神経節あり、前根=運動=神経節なし、というベル-マジャンディーの法則として定式化されている。
✗ 4.
脊髄神経はすべて混合神経である。
✗ 正しい。 脊髄神経は31対あり、前根の運動性線維と後根の感覚性線維が椎間孔の外で合して1本の神経となる。したがって脊髄神経はすべて運動と感覚を含む混合神経であり、この記述は正しく本問の答えではない。
ポイント
  • 脊髄神経節は後根に存在し、感覚神経(求心性)の細胞体の集団である。前根には神経節はない。
  • 覚え方のコツ: 「後=感覚=神経節/前=運動=神経節なし」でベル-マジャンディーの法則として対比。神経節を触れる場所は後根だけ、と機械的に覚える。
  • 関連知識: 末梢有髄神経の髄鞘はシュワン細胞(1細胞1節)、中枢はオリゴデンドロサイト(1細胞複数軸索)が形成する。脳脊髄膜は外から硬膜・クモ膜・軟膜の3層。
  • よくある間違い: 脊髄神経節を前根に置く誤認/脊髄神経を運動のみ・感覚のみの神経と誤る(31対すべて混合神経)/髄膜を2層や4層と数え違う。
  • 臨床応用: 帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルスが脊髄神経節(後根神経節)に潜伏し、再活性化して支配皮膚領域(デルマトーム)に沿って疼痛と皮疹を生じる。
比較表
構造 脊髄神経節 前根 後根
含まれる線維 感覚ニューロン細胞体 運動(遠心性)軸索 感覚(求心性)軸索
神経節の有無 そのもの なし あり(脊髄神経節)
支配機能 触・温痛・深部感覚 骨格筋・自律神経 皮膚・筋紡錘・内臓感覚
細胞体の位置 後根上のふくらみ 脊髄前角 脊髄神経節
合流 椎間孔外で脊髄神経へ 椎間孔外で後根と合流 椎間孔外で前根と合流
解説画像
鍼灸 第1回(1993) 問題30|誤っているのはどれか。 解説図
鍼灸 第1回(1993) 問題30|誤っているのはどれか。
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