学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ D. 上皮小体 / Q0471

理由で解く 解剖学

Q0471 内分泌系

出典:あマ指 第7回(1999) 問題28
問題
内分泌腺について正しい記述はどれか。
選択肢
1 松果体は前頭葉の下面にある。
2 下垂体は前頭蓋窩の中にある。
3 上皮小体は甲状腺の後面にある。
4 副腎は腹膜に包まれる。
解答
正解3(上皮小体は甲状腺の後面にある。)
解説
✗ 1. 誤り
松果体は前頭葉の下面にある。
松果体は前頭葉の下面ではなく、間脳の後上部(第三脳室後壁の上方)に突出する小さな内分泌器官である。前頭葉の下面にあるのは嗅球や眼窩面の大脳皮質であり、位置を根本的に取り違えている。
✗ 2. 誤り
下垂体は前頭蓋窩の中にある。
下垂体は前頭蓋窩ではなく、中頭蓋窩の中央、蝶形骨体上面のトルコ鞍中央にある下垂体窩に収まる。前頭蓋窩にあるのは前頭葉・嗅球・篩板などで、下垂体はそれよりも尾側・下方に位置する。
✓ 3. 正しい
上皮小体は甲状腺の後面にある。
上皮小体(副甲状腺)は甲状腺の後面に埋め込まれるように上下1対計4個が存在する米粒大・暗褐色の内分泌腺である。主細胞からパラソルモン(PTH)を分泌し、骨からのCa動員・腎遠位尿細管でのCa再吸収促進・ビタミンD活性化を介して血中Ca濃度を上げる。甲状腺C細胞が分泌するカルシトニン(Ca低下作用)と拮抗し、血中Caの恒常性を維持する。甲状腺全摘術ではこの4個の上皮小体を誤って摘除すると術後テタニーをきたすため、後面の位置関係を熟知することが臨床的に重要である。
✗ 4. 誤り
副腎は腹膜に包まれる。
副腎は腹膜に包まれず、後腹膜腔に位置する。後腹膜器官(腎臓・膵臓の大部分・十二指腸など)の一つであり、腹膜から脱落した間膜をもたず、脂肪組織とジェロタ筋膜(腎筋膜)に包まれる。
ポイント
  • 上皮小体は甲状腺の後面に上下1対計4個あり、パラソルモン(PTH)を分泌して血中Ca濃度を上げる。
  • 覚え方のコツ: 「上皮小体は甲状腺の『裏』に4個、PTHで血中Ca『上』」と位置とホルモン作用をワンフレーズで覚える。
  • 関連知識: PTHは骨吸収促進・腎尿細管でのCa再吸収促進とP排泄促進・活性型ビタミンD産生促進の3経路で血中Caを上げる。カルシトニン(甲状腺C細胞)と拮抗。
  • よくある間違い: 上皮小体を甲状腺の「前面」とする/下垂体を「前頭蓋窩」とする/副腎を「腹膜内」とする。いずれも定番のひっかけ。
  • 臨床応用: 上皮小体腺腫は原発性副甲状腺機能亢進症の原因で、高Ca血症・骨病変・尿路結石をきたす。慢性腎不全では二次性副甲状腺機能亢進症が発症し、骨ミネラル代謝異常を呈する。
比較表
ホルモン 分泌器官 血中Caへの作用
パラソルモン(PTH) 上皮小体主細胞 上昇(骨吸収・腎Ca再吸収)
カルシトニン 甲状腺C細胞 低下(破骨細胞抑制)
活性型ビタミンD 腎(近位尿細管で活性化) 上昇(腸管Ca吸収)
解説画像
あマ指 第7回(1999) 問題28|内分泌腺について正しい記述はどれか。 解説図
あマ指 第7回(1999) 問題28|内分泌腺について正しい記述はどれか。
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