
この図の解説
正中矢状断の脳を見ると、視床の後上方、第3脳室中央の後上壁から後方へ小さく突き出た松かさ状の小体が松果体である。拡大図で確かめたいのは、松果体が「間脳の後ろに別にぶら下がる器官」ではなく、間脳の背側部そのものが突出したものだという点で、だからこそ実質は上皮ではなく神経組織でできている。大きさはあずき粒大で、下方前方に見える下垂体やトルコ鞍とは位置も由来も対照的である。ここから分泌されるメラトニンは夜に高く明け方に低くなる24時間周期を示し、朝起き夜眠る日内リズム(サーカディアンリズム)を調節する。組織像に見える黒い塊は脳砂と呼ばれるカルシウム沈着で、松果体は7歳前後が最も発達し、以後は退行性変化を示す。
学習の要点
- 松果体は第3脳室中央の後上壁から後方へ突出した松かさ状の小体で、間脳(視床上部)の背側に位置し、あずき粒大である。
- 覚え方のコツ:「松かさ=pine cone」が名の由来。夜=暗=メラトニン高、と「暗くなると眠くなる」でメラトニンと日内リズムを結びつける。
- 関連知識:松果体は神経組織(松果体細胞と神経膠細胞)からなる点で、上皮由来の下垂体前葉や甲状腺と異なる。位置の目印は視床のすぐ後上方。
- よくある間違い:松果体を「間脳の後方に別にある独立器官」と捉える誤り。間脳の一部であり、突出しているだけである。分泌はメラトニンで、メラニンではない。
- 臨床応用:加齢に伴う脳砂(カルシウム沈着)はX線写真で描出され、頭部画像で正中の指標となりうる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
松果体から分泌されるホルモンは( )であり、夜になると分泌が高くなる。
答えを見る
答え: メラトニン
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。