学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0460

理由で解く 解剖学

Q0460 内分泌系

出典:あマ指 第29回(2021) 問題20
問題
神経性下垂体から分泌されるホルモンはどれか。
選択肢
1 カルシトニン
2 成長ホルモン
3 パラソルモン
4 バソプレシン
解答
正解4(バソプレシン)
解説
✗ 1. 誤り
カルシトニン
カルシトニンは甲状腺の濾胞と濾胞の間に散在する「傍濾胞細胞(C細胞)」から分泌される。破骨細胞の活動を抑え骨吸収を抑制して血中カルシウム濃度を下げる作用をもち、パラソルモンとは拮抗的に働く。下垂体後葉ホルモンではない。
✗ 2. 誤り
成長ホルモン
成長ホルモン(GH)は下垂体「前葉」の酸好性細胞(ソマトトロープ)から分泌される前葉ホルモンで、肝でIGF-1産生を介して骨・筋の成長を促し、血糖上昇・脂肪分解にも働く。神経性下垂体(後葉)からは分泌されない。小児期のGH過剰は巨人症、成人後は末端肥大症を起こす。
✗ 3. 誤り
パラソルモン
パラソルモン(PTH、上皮小体ホルモン)は甲状腺の背面にある上皮小体(副甲状腺)の主細胞から分泌され、破骨細胞を介した骨吸収・腎でのCa再吸収・活性型ビタミンD生成を介して血中カルシウム濃度を上昇させる。下垂体後葉から分泌されるわけではない。
✓ 4. 正しい
バソプレシン
バソプレシン(ADH=抗利尿ホルモン)は視床下部の視索上核の神経細胞で産生され、軸索輸送で下垂体後葉(神経性下垂体)に運ばれて軸索末端から放出される。腎集合管の水チャネル(アクアポリン2)を細胞膜へ発現させて水の再吸収を促進し、尿量を減少させる。オキシトシンとともに神経性下垂体から放出される2つの後葉ホルモンの1つであり、本問の正解である。分泌不全(ADH低下)は中枢性尿崩症、過剰分泌はSIADH(低Na血症)を招く。
ポイント
  • 神経性下垂体(後葉)からはオキシトシン(子宮収縮・射乳)とバソプレシン(抗利尿)の2つが放出され、産生部位は視床下部の視索上核・室傍核。
  • 覚え方のコツ: 後葉は「オバ(Oxytocin・Vasopressin)」の2つだけ。視床下部→後葉の直送ルートで産生と放出の場所が違う点を必ず押さえる。
  • 関連知識: バソプレシン主産生は視索上核、オキシトシン主産生は室傍核。両ホルモンは神経軸索を下降し、ヘリング小体で貯蔵・放出される。
  • よくある間違い: GHやPRL(前葉)を後葉と混同/パラソルモン・カルシトニンを下垂体に結びつける/バソプレシンを甲状腺ホルモンと誤記。
  • 臨床応用: ADH分泌低下は中枢性尿崩症(多尿・口渇)、過剰分泌はSIADH(低Na血症)をきたす。分娩時オキシトシン不足は陣痛微弱の原因となる。
比較表
ホルモン 分泌部位 産生細胞 主な作用
バソプレシン(ADH) 下垂体後葉 視床下部 視索上核 腎集合管での水再吸収/尿量減少
オキシトシン 下垂体後葉 視床下部 室傍核 子宮収縮・射乳
成長ホルモン(GH) 下垂体前葉 酸好性細胞 成長促進・血糖上昇
カルシトニン 甲状腺 傍濾胞細胞(C細胞) 血中Ca低下・骨吸収抑制
パラソルモン 上皮小体 主細胞 血中Ca上昇・骨吸収促進
解説画像
あマ指 第29回(2021) 問題20|神経性下垂体から分泌されるホルモンはどれか。 解説図
あマ指 第29回(2021) 問題20|神経性下垂体から分泌されるホルモンはどれか。
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