学習トップ理由で解く 解剖学第7章 ▸ A. 下垂体 / Q0451

理由で解く 解剖学

Q0451 内分泌系

出典:鍼灸 第5回(1997) 問題25
問題
内分泌腺について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 下垂体前葉は神経組織で構成される。
2 甲状腺は多数の濾胞で構成される。
3 副腎は皮質と髄質とに分けられる。
4 ランゲルハンス島は膵臓内に分布する。
解答
正解1(下垂体前葉は神経組織で構成される。)
解説
✓ 1. 誤り
下垂体前葉は神経組織で構成される。
本選択肢は本問の「誤っている記述」に該当する。下垂体前葉(腺性下垂体)は口蓋側の外胚葉であるラトケ嚢から発生し、腺細胞から構成される上皮性組織である。一方、後葉(神経下垂体)は間脳底部から下垂する神経外胚葉由来で、視床下部の神経分泌線維と下垂体細胞(ピツイサイト)から成る神経組織である。したがって「前葉=神経組織」という記述は、前葉と後葉の発生・組織構造を取り違えた典型的な誤りであり、正しくは「後葉が神経組織、前葉が腺組織」となる。
✗ 2.
甲状腺は多数の濾胞で構成される。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述であり、本問(誤りを選ぶ)の解答ではない。甲状腺は喉頭・気管の前面を覆う蝶形の内分泌腺で、単層立方上皮が球状に並んだ無数の濾胞から成り、濾胞腔にはサイログロブリンを主成分とするコロイドが貯留し、ここから甲状腺ホルモン(T3・T4)が合成・放出される。
✗ 3.
副腎は皮質と髄質とに分けられる。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。副腎は腎臓の上方に接する三角形の内分泌腺で、外側の皮質(中胚葉由来)と中央の髄質(神経堤由来)に区分される。皮質は外側から球状帯・束状帯・網状帯の三層構造でステロイドホルモンを、髄質はクロム親和性細胞からアドレナリンを分泌する。
✗ 4.
ランゲルハンス島は膵臓内に分布する。
✗ 正しい。 本選択肢は事実として正しい記述で、本問の解答ではない。ランゲルハンス島は膵臓の外分泌組織中に散在する直径0.1〜0.3mmの内分泌細胞塊であり、約100万個存在する。特に膵尾部に多く分布し、A細胞がグルカゴン、B細胞がインスリン、D細胞がソマトスタチンを分泌する。
ポイント
  • 下垂体は前葉(腺性下垂体)と後葉(神経下垂体)に分かれ、前葉はラトケ嚢由来の腺組織、後葉は間脳底由来の神経組織と、発生起源・組織構造が異なる。
  • 覚え方のコツ: 「前=腺・後=神」。ラトケ嚢→前葉(口蓋側外胚葉=腺)、漏斗下垂→後葉(神経外胚葉=神経)と発生起源で対比する。
  • 関連知識: 前葉はGH・PRL・TSH・ACTH・FSH・LHの6種を分泌。後葉は視床下部で作られたバソプレシン・オキシトシンを貯蔵・放出する神経分泌の場。
  • よくある間違い: 前葉と後葉の組織・ホルモンを逆に覚える/後葉が自らホルモンを合成していると誤解する(実際は視床下部で合成)。
  • 臨床応用: 下垂体腺腫は前葉由来が多く、プロラクチノーマや末端肥大症の原因となる。尿崩症は後葉からのバソプレシン分泌不全により多尿・口渇をきたす。
比較表
区分 前葉(腺性下垂体) 後葉(神経下垂体)
発生起源 ラトケ嚢(外胚葉、口蓋側) 間脳底の漏斗下垂(神経外胚葉)
組織構造 腺細胞(好酸性・好塩基性・色素嫌性) 視床下部神経線維と下垂体細胞
主なホルモン GH・PRL・ACTH・TSH・FSH・LH バソプレシン・オキシトシン
合成の場 前葉自身の腺細胞 視床下部(視索上核・室傍核)で合成
解説画像
鍼灸 第5回(1997) 問題25|内分泌腺について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第5回(1997) 問題25|内分泌腺について誤っている記述はどれか。
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