
この図の解説
図は横断面を上から下へ4段で追い、外胚葉から中枢・末梢神経系が生まれる過程を示す。まず第3週の初め、いちばん外側の青い層=外胚葉の背側正中部が肥厚し、紫色の神経板ができる(①)。次に神経板の正中が谷のように落ち込んで神経溝となり、その両外側縁が羊膜腔側へ盛り上がって黄緑色の神経堤になる(②)。さらに神経溝の左右の縁が背側で合わさって管を閉じ、外胚葉の下へ潜り込んで神経管が完成する。このとき神経堤も左右が癒合して埋没する(③)。最終段に着目すると、表皮の下に埋もれた神経管は中枢神経系(脳・脊髄)へ、その両脇に取り残された神経堤細胞は脊髄神経節など末梢神経系へ分化する(④)。中央下の脊索は変性して椎間板の髄核だけを残し、赤い中胚葉(体節)は軸骨格と骨格筋の前駆体になる点も押さえたい。
学習の要点
- 神経系はすべて外胚葉由来。神経板→神経溝+神経堤→神経管という一連の変化を神経胚形成(神経管形成)と呼び、第3週に始まる。
- 覚え方のコツ:「板→溝→管」と縦に閉じていく動きで暗記。溝のフチが持ち上がって神経堤、フチどうしが合わさって神経管、と図の上下でたどる。
- 関連知識:外胚葉からは神経系のほか表皮・毛・爪・感覚器も生じる。中胚葉からは骨格・筋・循環器・泌尿生殖器、内胚葉からは消化器・呼吸器の上皮が分化する。
- よくある間違い:神経管=末梢神経、神経堤=中枢神経と取り違えやすい。正しくは神経管が中枢(脳・脊髄)、神経堤細胞が末梢(脊髄神経節など)。
- 臨床応用:神経管の閉鎖が不完全だと二分脊椎や無脳症などの神経管閉鎖障害が起こる。葉酸の十分な摂取が予防に関わる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
神経板の外側縁が隆起してできた( )は、左右が癒合したのち末梢神経系(脊髄神経節など)へと分化する。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 神経堤
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。