学習トップ理由で解く 解剖学第5章 ▸ B. 尿路 / Q0379

理由で解く 解剖学

Q0379 泌尿器系

出典:鍼灸 第6回(1998) 問題23
問題
尿管について誤っている記述はどれか。
選択肢
1 腎門に起始する
2 膀胱後下面に開口する
3 総腸骨動脈と交叉する
4 腹膜に包まれる
解答
正解4(腹膜に包まれる)
解説
✗ 1.
腎門に起始する
✗ 正しい。 尿管は腎臓内の腎盤(腎盂)に続いて腎門から出る管で、腎杯→腎盂→尿管と連続する。腎門に起始して後腹壁を下行し膀胱に至るという記述は正しい。
✗ 2.
膀胱後下面に開口する
✗ 正しい。 尿管は骨盤を下行した後、膀胱底の後下面から壁を斜めに貫いて膀胱内へ開口する。この斜走する尿管壁内経路(膀胱壁内部)は尿の膀胱から腎への逆流を機械的に防ぐ弁構造として働く。
✗ 3.
総腸骨動脈と交叉する
✗ 正しい。 尿管は後腹壁を下行し、総腸骨動脈が内外腸骨動脈に分岐する付近で動脈の前を横切って骨盤腔内に入る。この交叉部は尿管の3大狭窄部の1つで、結石が嵌頓しやすい部位である。
✓ 4. 誤り
腹膜に包まれる
尿管は腎臓・副腎・膵臓・十二指腸とともに「腹膜後器官(後腹膜臓器)」に分類される。腹膜に包まれるのではなく、腹膜の後方で後腹壁と腹膜の間の結合組織中を走行する。腹膜に覆われる腹膜内臓器(胃・小腸・横行結腸など)とは位置関係が根本的に異なり、腎尿路系は発生学的にも後腹膜に留まる。そのため尿管結石の手術は腹膜腔を開かずに背側からアプローチできる。
ポイント
  • 尿管は後腹膜臓器で、腹膜には包まれない。腎門から膀胱後下面まで約25〜30cmを下行する。
  • 覚え方のコツ: 後腹膜臓器は「腎・尿管・副腎・膵(体尾除く)・十二指腸下行部・上行/下行結腸・腹大動脈・下大静脈」でまとめて覚える。
  • 関連知識: 尿管の3大生理的狭窄部は①腎盂尿管移行部、②総腸骨動脈との交叉部、③膀胱壁内部で、結石嵌頓の好発部位と一致する。
  • よくある間違い: 腎臓・尿管が腹腔内臓器と勘違いされる。腎はグリソン被膜ではなく線維性被膜と脂肪被膜に包まれ、腹膜の後方に位置する。
  • 臨床応用: 尿管結石は3大狭窄部に嵌頓して激しい側腹部〜鼠径部痛と血尿を呈する。後腹膜臓器であるため、穿孔時も最初は腹膜炎を起こしにくい。
比較表
分類 代表臓器
腹膜内(腹膜に包まれる) 胃、空腸、回腸、横行結腸、S状結腸、肝臓、脾臓
後腹膜(腹膜の後方) 腎臓、尿管、副腎、膵(体尾除く)、十二指腸下行部、上行/下行結腸
腹膜外(骨盤底) 膀胱、直腸下部、前立腺
解説画像
鍼灸 第6回(1998) 問題23|尿管について誤っている記述はどれか。 解説図
鍼灸 第6回(1998) 問題23|尿管について誤っている記述はどれか。
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