
この図の解説
図は肝小葉を立体的に切り出したもので、右上から門脈・固有肝動脈・肝管の3本がそろって入り、枝分かれして小葉間静脈・小葉間動脈・小葉間胆管になる様子が色分けで示される。これらの3本は六角形の肝小葉の角に集まり、周囲の疎性結合組織であるグリソン鞘(小葉間結合組織、図の最下部)の中を並んで走る。まず追うべきは血液の向きで、小葉間動脈と小葉間静脈の血液はともに内腔の広い洞様毛細血管(類洞)に入り、小葉の中心を縦に走る中心静脈へ注ぐ。中心静脈は集まって肝静脈となり下大静脈へ抜ける。血液は小葉の周辺(角)から中心へ流れる点が要点。右下のフロー図はこの経路と、毛細胆管→小葉間胆管→肝管→総胆管という胆汁の流れを対比して示しており、血液と胆汁が逆向きに走ることが読み取れる。
学習の要点
- 肝小葉は直径1mmあまりの六角柱で、血液は周辺(角)から中心へ、胆汁は逆に中心側から周辺へ流れる。
- 覚え方のコツ: 「血は中心へ、胆汁は外へ」で逆向きを対にする。小葉の角に集まる三兄弟=小葉間動脈・小葉間静脈・小葉間胆管。
- 関連知識: 洞様毛細血管の壁にはクッパー星細胞(大食細胞)、肝細胞索との隙間のディッセ腔にはビタミンA貯蔵細胞がある。脾臓で壊れた赤血球由来のビリルビンが肝細胞で胆汁になる。
- よくある間違い: 中心静脈を血液の入口と取り違える、あるいは門脈血が中心静脈へ直接注ぐと誤る。実際は必ず洞様毛細血管を経由する。
- 臨床応用: 胆石などで胆汁の排出路が詰まると閉塞性黄疸となる。胆汁と血液が逆向きに流れる小葉の構造がその理解の土台になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
肝臓の実質は( )という疎性結合組織によって、直径1mmあまりの六角柱状の肝小葉に分けられる。( )に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: グリソン鞘
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。