学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ H. 肝臓 / Q0331

理由で解く 解剖学

Q0331 消化器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題23
問題
肝臓の血管系について正しい記述はどれか。
選択肢
1 門脈には動脈血が流れる。
2 洞様毛細血管(類洞)は中心静脈に注ぐ。
3 中心静脈は小葉間静脈に注ぐ。
4 肝静脈は肝門を通る。
解答
正解2(洞様毛細血管(類洞)は中心静脈に注ぐ。)
解説
✗ 1. 誤り
門脈には動脈血が流れる。
門脈には胃・小腸・大腸・膵・脾からの静脈血が流入し、栄養分に富むが酸素分圧の低い「静脈血」が流れる。門脈は肝に入ると小葉間静脈に分かれ類洞(洞様毛細血管)で固有肝動脈からの動脈血と混ざり合ってから中心静脈へ合流する特殊な経路をとる。
✓ 2. 正しい
洞様毛細血管(類洞)は中心静脈に注ぐ。
洞様毛細血管(類洞)は、肝小葉の中心を走る中心静脈に注ぐ。グリソン鞘の小葉間動脈・小葉間静脈から流入した血液が類洞で混合され、中心静脈→肝静脈→下大静脈へと流れる。
✗ 3. 誤り
中心静脈は小葉間静脈に注ぐ。
方向が逆である。小葉間静脈は門脈の枝で類洞に流入する「入口」側、中心静脈は類洞を集めて肝静脈に繋がる「出口」側である。したがって血流方向は小葉間静脈→類洞→中心静脈であり、「中心静脈→小葉間静脈」ではない。
✗ 4. 誤り
肝静脈は肝門を通る。
肝門は肝下面中央のH字状溝の横線部で、固有肝動脈・門脈・肝管(+神経・リンパ管)が出入りする。肝静脈は肝門を通らず、肝後面から直接下大静脈に注ぐ。
ポイント
  • 肝小葉の血流方向は「小葉間動脈+小葉間静脈→類洞→中心静脈→肝静脈→下大静脈」。門脈は静脈血だが栄養に富む。
  • 覚え方のコツ: 「入口はグリソン鞘の3本(動脈・静脈・胆管)、出口は中央の中心静脈」。血液は「周辺→中央」、胆汁は「中央→周辺」と逆方向に流れる。
  • 関連知識: 肝臓の血液供給は二重性で、総量の約70%が門脈(静脈血・栄養豊富)、約30%が固有肝動脈(動脈血・酸素豊富)。両者は類洞で混合される。
  • よくある間違い: 「門脈は動脈」「中心静脈は動脈と対になる」と混同しやすい。門脈は「静脈の一種」で、肝小葉の中心にあるのは静脈のみ(中心動脈はない)。
  • 臨床応用: 門脈圧亢進症では類洞の血流抵抗が上がり、胃冠状静脈→食道静脈瘤、臍傍静脈→メデューサの頭、上下直腸静脈吻合→内痔核などの側副路が発達し、静脈瘤破裂のリスクを生じる。
比較表
血管 血液性状 流れる方向
門脈(小葉間静脈) 静脈血・栄養豊富 小葉周辺→類洞
固有肝動脈(小葉間動脈) 動脈血・酸素豊富 小葉周辺→類洞
類洞(洞様毛細血管) 混合血 周辺→中心(求心性)
中心静脈 混合血 類洞を集め肝静脈へ
肝静脈 混合血 肝後面→下大静脈
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題23|肝臓の血管系について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題23|肝臓の血管系について正しい記述はどれか。
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