学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0286

理由で解く 解剖学

Q0286 消化器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題22
問題
胃について正しい記述はどれか。
選択肢
1 胃体の上方への膨大部を胃底という。
2 大弯から小網が垂れ下がる。
3 噴門には発達した弁がある。
4 胃体部粘膜には輪状ヒダがある。
解答
正解1(胃体の上方への膨大部を胃底という。)
解説
✓ 1. 正しい
胃体の上方への膨大部を胃底という。
噴門を入ると胃は大きく左にふくれ、その天井部分はドーム状に盛り上がる。この胃体の上方へドーム状に膨れ出た部分を胃底と呼ぶ。解剖学的には横隔膜の直下に位置し、立位では空気(胃泡)がたまりやすく、X線画像やCTで明瞭に識別される。胃底は胃腺のうち胃底腺が広く分布する部位でもあり、塩酸・ペプシノゲン・粘液を分泌する機能的に重要な領域である。なお「底」という名称は解剖学的には「上方の膨大部」を指す点に注意が必要である。
✗ 2. 誤り
大弯から小網が垂れ下がる。
大弯から垂れ下がるのは大網であり、小網ではない。小弯側で前後の腹膜が合して肝臓との間に張るのが小網、大弯側で前後の腹膜が合して前下方に垂れ下がるのが大網である。「大弯→大網/小弯→小網」と対応させて記憶する。
✗ 3. 誤り
噴門には発達した弁がある。
噴門は食道と胃の接続部で、解剖学的に明瞭な弁構造は持たない。食道下部の平滑筋による機能的な下部食道括約筋と、横隔膜脚による締め付け、食道胃接合部の鋭角(His角)などが協調して逆流を防ぐ。明瞭な弁が発達しているのは幽門(幽門括約筋)や回盲弁である。
✗ 4. 誤り
胃体部粘膜には輪状ヒダがある。
胃体部の粘膜には主として縦に走り互いに連絡し複雑に錯綜する粘膜ヒダがみられるが、輪状ヒダは存在しない。輪状ヒダ(ケルクリング襞)は小腸、特に空腸上部で最も発達する構造であり、胃粘膜の特徴ではない。
ポイント
  • 胃は噴門・胃底・胃体・幽門(幽門前庭+幽門)の4区分に分けられ、胃底は胃体上方へドーム状に膨れ出た部分である。
  • 覚え方のコツ: 「胃底=上のドーム」と視覚化する。「底」の字に惑わされないよう、噴門を入ってすぐ左上に膨れる部分と位置関係で覚える。
  • 関連知識: 大弯→大網、小弯→小網の対応で胃間膜を整理。輪状ヒダは小腸、半月ヒダは大腸、胃は縦走ヒダと部位別に記憶する。
  • よくある間違い: 胃底を「胃の下部」と誤解する/大弯と小網、小弯と大網を取り違える/噴門に明確な弁があると誤認する(実際は機能的括約帯)。
  • 臨床応用: 胃底は食道裂孔ヘルニアで胸腔内に脱出しやすい部位である。胃泡は立位胸部X線で横隔膜下の透亮像として観察され、異常拡大は胃拡張や腸閉塞を示唆する。
比較表
胃の区分 位置・特徴 主な腺
噴門 食道との接続部 噴門腺(粘液)
胃底 上方のドーム状膨大部、横隔膜直下 胃底腺
胃体 胃の中央部、最も広い領域 胃底腺
幽門前庭・幽門 十二指腸への出口、幽門括約筋 幽門腺(粘液)・G細胞
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題22|胃について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題22|胃について正しい記述はどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手