学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0287

理由で解く 解剖学

Q0287 消化器系

出典:鍼灸 第14回(2006) 問題22
問題
胃について正しい記述はどれか。
選択肢
1 ガストリン分泌細胞は噴門に分布する。
2 角切痕は小弯の一部に見られる。
3 胃底腺の主細胞は塩酸を分泌する。
4 幽門は第11 胸椎の高さにある。
解答
正解2(角切痕は小弯の一部に見られる。)
解説
✗ 1. 誤り
ガストリン分泌細胞は噴門に分布する。
ガストリンを分泌するG細胞は幽門腺の開口部付近に散在する内分泌細胞であり、噴門には分布しない。G細胞から放出されたガストリンは血行性に壁細胞に作用して胃酸分泌を促進する。分布部位は「幽門(G細胞)」と結びつけて記憶する。
✓ 2. 正しい
角切痕は小弯の一部に見られる。
角切痕(かくせっこん、incisura angularis)は、胃のC字形の内側にあたる小弯に見られる急角度の屈曲部で、胃体部と幽門前庭部の境界付近に位置する。造影剤を飲んでX線撮影を行うと、小弯側に鋭く食い込む切れ込みとして描出され、胃の形態評価や病変部位の同定に用いられる重要な指標である。大弯側は滑らかな弧を描くのに対し、小弯側に特徴的に見られる屈曲であることが問われやすい。角切痕より口側を胃体、肛門側を幽門前庭と区分する目印にもなる。
✗ 3. 誤り
胃底腺の主細胞は塩酸を分泌する。
主細胞はペプシノゲン(蛋白消化酵素の前駆体)を分泌する細胞であり、塩酸を分泌するのは壁細胞(傍細胞)である。壁細胞は塩酸に加えて内因子(ビタミンB12吸収に必須)も分泌する。「主=ペプシノゲン/壁=塩酸・内因子/副=粘液」とセットで記憶する。
✗ 4. 誤り
幽門は第11 胸椎の高さにある。
幽門は胃から十二指腸への出口で、おおむね第1腰椎の高さ(幽門平面)に位置する。第11胸椎の高さに相当するのは食道が横隔膜を貫いて胃に入る噴門付近であり、第11胸椎と幽門は高さが一致しない。胃は噴門(Th11〜12)→胃底→胃体→幽門(L1)へとおおむね下方へ走る。
ポイント
  • 角切痕は胃の小弯側にある急角度の屈曲部で、胃体と幽門前庭の境界目印として造影X線や内視鏡観察で重要。
  • 覚え方のコツ: 「小弯=内側、急角度に曲がる=角切痕/大弯=外側、なめらかに弯曲」と対比して覚える。
  • 関連知識: G細胞は幽門にのみ存在/壁細胞=塩酸・内因子/主細胞=ペプシノゲン/副細胞=粘液。幽門は第1腰椎高で腹腔動脈分岐とほぼ同じ高さ。
  • よくある間違い: 主細胞が塩酸を分泌すると誤認/G細胞が噴門にあると誤解/角切痕を大弯側と取り違える。
  • 臨床応用: 胃造影検査で角切痕の形状変化(硬化・変形)はスキルス胃癌や粘膜下腫瘍を示唆。角切痕を基準に胃癌の部位を上部・中部・下部に分類する。
解説画像
鍼灸 第14回(2006) 問題22|胃について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第14回(2006) 問題22|胃について正しい記述はどれか。
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