学習トップ理由で解く 解剖学第3章 ▸ C. 気管と気管支 / Q0225

理由で解く 解剖学

Q0225 呼吸器系

出典:鍼灸 第4回(1996) 問題21
問題
気管について正しい記述はどれか。
選択肢
1 後壁は脊柱に接している。
2 前方を大動脈弓が横切る。
3 気管筋は骨格筋である。
4 粘膜上皮は重層扁平上皮である。
解答
正解2(前方を大動脈弓が横切る。)
解説
✗ 1. 誤り
後壁は脊柱に接している。
気管の後壁は脊柱ではなく食道に接する。気管の後壁は軟骨を欠く膜性部で、ここに食道が密接する位置関係である。脊柱は食道のさらに後方にある。
✓ 2. 正しい
前方を大動脈弓が横切る。
胸部気管の前方を大動脈弓が左から右へ横切る。大動脈弓は気管分岐部(第4〜5胸椎の高さ)のやや上方で気管前面を越え、その下で左主気管支を圧迫するように走行する。気管分岐部はこの大動脈弓直下にあり、左主気管支は大動脈弓をくぐって斜走するため、右主気管支より細く長く水平に近い。
✗ 3. 誤り
気管筋は骨格筋である。
気管筋は気管後壁の膜性部に存在する平滑筋であり、自律神経支配の不随意筋である。骨格筋ではない。
✗ 4. 誤り
粘膜上皮は重層扁平上皮である。
気管粘膜上皮は咽頭向きの運動を行う線毛を持つ多列線毛上皮(多列線毛円柱上皮)であり、重層扁平上皮ではない。線毛運動により異物や粘液を咽頭側へ排出する。
ポイント
  • 気管の前方を大動脈弓が横切り、後壁(膜性部)は食道に接する。
  • 覚え方のコツ: 気管の位置関係は「前・大動脈弓/後・食道/粘膜・多列線毛上皮/筋・平滑筋」の4点セット。前後の隣接臓器をペアで押さえる。
  • 関連知識: 気管の支柱は馬蹄形(U字形)の気管軟骨16〜20個で、硝子軟骨からなる。後壁は軟骨を欠き、気管筋(平滑筋)と結合組織からなる膜性部。右主気管支は太く短く垂直に近いため、誤嚥異物は右に落ち込みやすい。
  • よくある間違い: 気管後壁が脊柱に直接接すると誤認する(間に食道がある)/気管筋を骨格筋と誤答する/粘膜を重層扁平(食道と混同)と誤答する。
  • 臨床応用: 誤嚥異物の多くは右主気管支に落ち込みやすい。気管切開は第2〜4気管軟骨の高さで行い、甲状腺峡部や大血管を避ける必要がある。
解説画像
鍼灸 第4回(1996) 問題21|気管について正しい記述はどれか。 解説図
鍼灸 第4回(1996) 問題21|気管について正しい記述はどれか。
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