学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ G. 大腸 / Q0309

理由で解く 解剖学

Q0309 消化器系

出典:あマ指 第1回(1993) 問題22
問題
腸間膜をもつのはどれか。
選択肢
1 上行結腸
2 空腸
3 十二指腸
4 直腸
解答
正解2(空腸)
解説
✗ 1. 誤り
上行結腸
上行結腸は腹腔の右側を垂直に上行する約20cmの結腸で、後腹壁に半ば埋まるように固定される。腸間膜はもたず、腹膜に覆われるのは前面と両側面のみの後腹膜器官に分類される。可動性は乏しい。
✓ 2. 正しい
空腸
空腸は回腸とともに小腸の中で最も可動性が大きい部分で、背側から広い扇状の腸間膜(小腸間膜)によって後腹壁から吊り下げられる。この腸間膜には上腸間膜動静脈の分枝・リンパ管・自律神経が走行し、空腸・回腸を栄養する。腸間膜をもつことが後腹膜固定の十二指腸・上行結腸・下行結腸との決定的な違いであり、開腹手術時の移動性の差としても臨床的に重要である。
✗ 3. 誤り
十二指腸
十二指腸は胃幽門に続く約25cmのC字状の管で、上部の一部(球部)を除き後腹膜に固定される。発生学的には一度腸間膜をもっていたが、二次的に後腹壁と癒着して固定されたため、成人では可動性を失い腸間膜はもたない。
✗ 4. 誤り
直腸
直腸はS状結腸に続き仙骨の前面を下行する約20cmの部分で、骨盤内で後壁に密着する。上部前面のみ腹膜に覆われ下部は腹膜外に位置するため、腸間膜はもたず可動性は乏しい。
ポイント
  • 空腸・回腸・横行結腸・S状結腸は腸間膜をもち可動性が大きい。十二指腸・上行結腸・下行結腸・直腸は後腹膜に固定され腸間膜をもたない。
  • 覚え方のコツ: 「間膜あり=空・回・横・S」「間膜なし(腹膜後臓器)=十二・上行・下行・直」と4対4で対比。横行結腸とS状結腸は「横S」でセット暗記。
  • 関連知識: 腸間膜内を上腸間膜動静脈・下腸間膜動静脈が走り、腸管を栄養する。小腸間膜の根は第2腰椎左側から右腸骨窩へ斜走する。
  • よくある間違い: 「すべての結腸が腸間膜をもつ」と誤解する/上行結腸が腹膜後臓器であることを見落とす/直腸の下部が腹膜外であることを忘れる。
  • 臨床応用: 腸間膜をもつ部位は腸捻転(ボルブルス)を起こしやすく、特にS状結腸捻転は高齢者で多い。後腹膜固定の結腸は破裂時に後腹膜膿瘍を形成する。
比較表
部位 腸間膜 固定様式
空腸・回腸 あり(小腸間膜) 可動性大
上行結腸・下行結腸 なし 後腹膜固定
横行結腸・S状結腸 あり(結腸間膜) 可動性大
十二指腸(球部除く) なし 後腹膜固定
直腸 なし 骨盤後壁に固定
解説画像
あマ指 第1回(1993) 問題22|腸間膜をもつのはどれか。 解説図
あマ指 第1回(1993) 問題22|腸間膜をもつのはどれか。
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