学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ E. 胃 / Q0290

理由で解く 解剖学

Q0290 消化器系

出典:あマ指 第22回(2014) 問題25
問題
胃酸を分泌する細胞はどれか。
選択肢
1 G 細胞
2 主細胞
3 副細胞
4 壁細胞
解答
正解4(壁細胞)
解説
✗ 1. 誤り
G 細胞
G細胞は幽門腺の開口部付近に散在する内分泌細胞で、ペプチドホルモンであるガストリンを分泌する。ガストリンは血行性に壁細胞に作用して胃酸分泌を促進するが、G細胞自身は胃酸(塩酸)を分泌しない。
✗ 2. 誤り
主細胞
主細胞(chief cell)は胃底腺の腺底部に多く存在し、蛋白分解酵素の前駆体であるペプシノゲンを分泌する。ペプシノゲンは壁細胞の分泌する塩酸によって活性化され、活性型のペプシンとなって蛋白消化を担う。主細胞自身が塩酸を分泌するわけではない。
✗ 3. 誤り
副細胞
副細胞(粘液細胞)は胃底腺の頸部に存在し、粘液を分泌して胃粘膜を胃酸やペプシンの自己消化から保護する。粘液と重炭酸イオンによる粘液層は胃粘膜防御機構の要であるが、副細胞自身は塩酸を分泌しない。
✓ 4. 正しい
壁細胞
壁細胞(傍細胞、parietal cell)は胃底腺の腺管中部に多く存在する大型の円形細胞で、塩酸(胃酸)を分泌する。分泌顆粒ではなく細胞内小管とミトコンドリアが豊富で、プロトンポンプ(H⁺/K⁺-ATPase)によりH⁺を能動的に管腔へ放出する。塩酸はpH1〜2の強酸性で、食物の殺菌とペプシノゲンの活性化を担う。壁細胞はさらにビタミンB12の吸収に必須の内因子(キャッスル内因子)も分泌し、壁細胞の障害(自己免疫性胃炎など)では悪性貧血(巨赤芽球性貧血)を生じる。胃酸分泌はガストリン・ヒスタミン(ECL細胞由来)・副交感神経(アセチルコリン)によって促進される。
ポイント
  • 胃酸(塩酸)を分泌するのは壁細胞であり、壁細胞はさらに内因子を分泌してビタミンB12吸収を支える。
  • 覚え方のコツ: 「壁=塩酸+内因子/主=ペプシノゲン/副=粘液/G=ガストリン/ECL=ヒスタミン」と細胞とその分泌物をセットで記憶。壁は「壁(pariet-)」と覚える。
  • 関連知識: 胃酸分泌の3大促進因子はガストリン(内分泌性)、ヒスタミン(傍分泌性・ECL細胞)、アセチルコリン(神経性・迷走神経)。H2ブロッカーはヒスタミン経路、PPIはプロトンポンプを阻害する。
  • よくある間違い: 主細胞を塩酸分泌細胞と誤認/G細胞を胃酸分泌細胞と誤解/副細胞と壁細胞の機能を混同。
  • 臨床応用: 壁細胞への自己抗体・内因子抗体による自己免疫性胃炎はビタミンB12欠乏による悪性貧血を引き起こす。プロトンポンプ阻害薬(PPI)は壁細胞のH⁺/K⁺-ATPaseを阻害し胃酸分泌を強力に抑制する。
比較表
細胞 部位 分泌物
主細胞 胃底腺(腺底部) ペプシノゲン
壁細胞 胃底腺(腺管中部) 塩酸・内因子
副細胞 胃底腺(頸部)・噴門腺・幽門腺 粘液
ECL細胞 胃底腺 ヒスタミン
G細胞 幽門腺 ガストリン
解説画像
あマ指 第22回(2014) 問題25|胃酸を分泌する細胞はどれか。 解説図
あマ指 第22回(2014) 問題25|胃酸を分泌する細胞はどれか。
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