学習トップ理由で解く 解剖学第4章 ▸ D. 食道 / Q0280

理由で解く 解剖学

Q0280 消化器系

出典:あマ指 第25回(2017) 問題21
問題
食道について正しいのはどれか。
選択肢
1 気管の前を通る。
2 第 4 頸椎の高さで始まる。
3 大動脈の前で横隔膜を貫く。
4 左心房の高さに生理的狭窄がみられる。
解答
正解3(大動脈の前で横隔膜を貫く。)
解説
✗ 1. 誤り
気管の前を通る。
食道は気管・気管分岐部の「後ろ」を通って胸腔を下行し、後縦隔に位置する。気管前方は縦隔の中央寄り(前方)で胸腺・大血管が占め、食道は椎体前面側を走る関係にある。
✗ 2. 誤り
第 4 頸椎の高さで始まる。
食道は咽頭に続き、第6頸椎(輪状軟骨)の高さで始まる。咽頭食道接合部は上部食道括約筋(輪状咽頭筋)として機能する。第4頸椎の高さは舌骨付近で、咽頭領域である。
✓ 3. 正しい
大動脈の前で横隔膜を貫く。
食道は後縦隔を下行する途中で、胸大動脈の右側→前面へと回り込み、横隔膜の第10胸椎の高さにある食道裂孔を貫通して腹腔に入る(食道裂孔は大動脈裂孔より前方・頭側・左寄り)。この部位で食道は胸大動脈の前方に位置し、迷走神経の前後幹とともに横隔膜を貫く。教科書では「大動脈裂孔はT12、食道裂孔はT10、大静脈孔はT8」の高さの序列が試験頻出。
✗ 4. 誤り
左心房の高さに生理的狭窄がみられる。
食道の生理的狭窄は3箇所で、①輪状軟骨部(第1狭窄:食道入口、第6頸椎)②大動脈弓・左主気管支との交叉部(第2狭窄:胸骨角の高さ)③食道裂孔部(第3狭窄:横隔膜貫通部)である。「左心房の高さ」は第2狭窄と第3狭窄の中間で狭窄部ではないが、左心房拡大時には食道の前方圧迫像(僧帽弁狭窄症のバリウム透視所見)が得られる場所として知られる。
ポイント
  • 食道は咽頭(C6)から腹腔(T10食道裂孔)まで椎体前面を下行し、後縦隔の主要器官として胸大動脈の前を通って横隔膜を貫く。
  • 覚え方のコツ: 「裂孔の高さは8・10・12」:大静脈孔(T8)→食道裂孔(T10)→大動脈裂孔(T12)。
  • 関連知識: 食道の3生理的狭窄は①輪状軟骨部②大動脈・気管分岐部③食道裂孔部。異物嵌頓・食道癌好発部位として臨床的に重要。
  • よくある間違い: 食道を気管の前と誤る。食道は気管の後ろ(椎体前方)を通る。
  • 臨床応用: 食道裂孔ヘルニアは胃の一部が食道裂孔を経て胸腔内に脱出する疾患で、逆流性食道炎(GERD)の原因となる。
比較表
食道の部位 高さ・特徴
食道入口 第6頸椎(輪状軟骨下縁)、第1生理的狭窄
頸部食道 気管の後方を下行
胸部食道 後縦隔、大動脈弓・左主気管支交叉部が第2狭窄
食道裂孔 第10胸椎、大動脈の前を貫通、第3狭窄
腹部食道 胃噴門に連続(約1-2 cm)
解説画像
あマ指 第25回(2017) 問題21|食道について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第25回(2017) 問題21|食道について正しいのはどれか。
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