学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0162

理由で解く 解剖学

Q0162 循環器系

出典:鍼灸 第22回(2014) 問題25
問題
下大静脈に直接注がないのはどれか。
選択肢
1 肝静脈
2 腎静脈
3 脾静脈
4 腰静脈
解答
正解3(脾静脈)
解説
✗ 1.
肝静脈
✗ 正しい。 肝静脈は肝臓後上面で右・中・左の3本にまとまり、肝臓の裏側に食い込む下大静脈に短く直接注ぐ。門脈と固有肝動脈の血液を類洞で受けたのち排出する唯一の出口で、下大静脈はこの直後に横隔膜の大静脈孔を貫いて右心房に入る。
✗ 2.
腎静脈
✗ 正しい。 腎静脈は左右ともに下大静脈に直接注ぐ。右腎静脈は短く下大静脈までほぼ水平。左腎静脈は腹大動脈の前(上腸間膜動脈との間)を右方に横切って下大静脈に入るため長く、途中で左精巣(卵巣)静脈と左副腎静脈を受ける。
✓ 3. 誤り
脾静脈
脾静脈は脾門から出て膵体尾部の後面を右方に走り、膵頭後方で上腸間膜静脈と合流して門脈を形成する。途中で下腸間膜静脈を受け入れる。したがって脾静脈は下大静脈ではなく門脈系に属し、肝臓の類洞を経て初めて下大静脈に到達する。
✗ 4.
腰静脈
✗ 正しい。 腰静脈は第1〜第4腰椎の高さで後腹壁から起こり、左右4対が下大静脈の後壁に直接注ぐ。同時に縦方向の上行腰静脈を介して奇静脈系と連絡し、下大静脈閉塞時の代替還流路(椎骨静脈叢経由)としても機能する。
ポイント
  • 下大静脈の直接流入枝は「肝・腎・腰・右副腎・右性腺・総腸骨・下横隔」で、腹腔臓器のうち消化管・脾・膵は門脈系に入るため含まれない。
  • 覚え方のコツ: 「下大静脈=実質臓器(肝腎)と体壁(腰)」/「門脈=消化管+脾+膵」の2系統で分類すると迷わない。
  • 関連知識: 上行腰静脈は腰静脈と奇静脈系を縦に連絡し、下大静脈閉塞時にはこのルートが太く拡張して代替還流路となる(Cruveilhier-Baumgarten綱とは別)。
  • よくある間違い: 脾臓が臓器として下大静脈系と思い込む。脾臓からの血液は必ず門脈→肝臓を経由することに注意。
  • 臨床応用: 下大静脈血栓(DVTからの血栓塞栓)や悪性腫瘍浸潤時には下大静脈フィルターを腎静脈流入部より下(遠位)に留置し、肺塞栓を予防する。
解説画像
鍼灸 第22回(2014) 問題25|下大静脈に直接注がないのはどれか。 解説図
鍼灸 第22回(2014) 問題25|下大静脈に直接注がないのはどれか。
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