学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ D. 静脈系 / Q0161

理由で解く 解剖学

Q0161 循環器系

出典:あマ指 第22回(2014) 問題29
問題
静脈について正しいのはどれか。
選択肢
1 腎静脈は門脈に注ぐ。
2 肋間静脈は奇静脈に注ぐ。
3 下大静脈は正中線より左にある。
4 左腕頭静脈は腕頭動脈の後ろを横切る。
解答
正解2(肋間静脈は奇静脈に注ぐ。)
解説
✗ 1. 誤り
腎静脈は門脈に注ぐ。
腎静脈は腎臓から出て腹大動脈の前を横切り(左側)あるいは短く走って(右側)、いずれも下大静脈に直接注ぐ。門脈に流入する血管は消化管・膵臓・脾臓からの静脈であり、泌尿器の静脈血は腎→下大静脈の体循環ルートを独立して辿る。
✓ 2. 正しい
肋間静脈は奇静脈に注ぐ。
右の後肋間静脈は直接奇静脈に注ぎ、左の後肋間静脈は半奇静脈・副半奇静脈に集まったのち脊柱の前を横切って右側の奇静脈へ合流する。最終的に奇静脈系は上大静脈の後面に注ぐ。肋間静脈→奇静脈→上大静脈の経路は胸壁血液還流の本幹を成す。
✗ 3. 誤り
下大静脈は正中線より左にある。
下大静脈は腹大動脈の右側を並走して上行し、身体正中線よりやや右寄りに位置する。上腹部では肝臓後面に食い込んで肝静脈を受け、横隔膜の大静脈孔を貫通して右心房に注ぐ。右寄りにある非対称性は発生時の左前主静脈退縮の名残である。
✗ 4. 誤り
左腕頭静脈は腕頭動脈の後ろを横切る。
左腕頭静脈は右のものより長く、水平位に近い走行をとり、腕頭動脈・左総頸動脈・左鎖骨下動脈の「前」を横切って右腕頭静脈と合流する。これは発生の際に上大静脈が大動脈よりも右側に形成されるため、左側の腕頭静脈が動脈の前を渡らねばならないことによる。
ポイント
  • 奇静脈系は右の奇静脈と左の半奇静脈・副半奇静脈の3本で構成され、後胸壁の静脈を集めて最終的に上大静脈に注ぐ。
  • 覚え方のコツ: 「右奇・左半奇・副半奇の3本が奇静脈系」と覚え、左の半奇静脈は脊柱の前で奇静脈に合流する点をワンセットで押さえる。
  • 関連知識: 食道静脈は奇静脈系に注ぐルートを持つため、門脈圧亢進時に食道下部の静脈叢→奇静脈→上大静脈へと逃げ道をつくり食道静脈瘤を形成する。
  • よくある間違い: 「下大静脈は身体中央」と考える/左腕頭静脈を動脈の後ろと誤記する。いずれも体腔を立体的にイメージできていないのが原因。
  • 臨床応用: 左腕頭静脈は水平に走るため中心静脈カテーテル挿入時の穿刺路として右側より困難で、また胸部CTでは胸骨後方を水平に横切る管状構造として同定しやすい。
比較表
胸壁静脈 集める領域 合流先
右後肋間静脈 右胸壁 奇静脈
左後肋間静脈(上位) 左上胸壁 副半奇静脈
左後肋間静脈(下位) 左下胸壁 半奇静脈
半奇・副半奇静脈 左の集合 奇静脈(脊柱前で横断)
奇静脈 右胸壁+左系合流 上大静脈(後面)
解説画像
あマ指 第22回(2014) 問題29|静脈について正しいのはどれか。 解説図
あマ指 第22回(2014) 問題29|静脈について正しいのはどれか。
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