学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0140

理由で解く 解剖学

Q0140 循環器系

出典:鍼灸 第28回(2020) 問題19
問題
内腸骨動脈の枝はどれか。
選択肢
1 上直腸動脈
2 上殿動脈
3 内側大腿回旋動脈
4 卵巣動脈
解答
正解2(上殿動脈)
解説
✗ 1. 誤り
上直腸動脈
上直腸動脈は下腸間膜動脈の終枝で、直腸上部を養う。直腸を養う3動脈のうち上直腸動脈のみが下腸間膜動脈由来で、中直腸動脈・下直腸動脈はそれぞれ内腸骨動脈・内陰部動脈の枝として骨盤系に属する。
✓ 2. 正しい
上殿動脈
上殿動脈は内腸骨動脈の「下肢に向かう枝」に分類され、坐骨大孔のうち梨状筋上孔を通って骨盤から出て、中殿筋・小殿筋・大殿筋などの殿部筋群を養う。下殿動脈(梨状筋下孔通過)とともに殿部を栄養する代表的血管で、骨盤底の手術や外傷時に大量出血源となり得る。内腸骨動脈の枝に関する問題は、この「上殿・下殿・閉鎖・内陰部・腸腰・臍・膀胱・子宮・中直腸」の9本を軸に整理する。
✗ 3. 誤り
内側大腿回旋動脈
内側大腿回旋動脈は大腿深動脈(大腿動脈の枝)から出る枝で、大腿骨頸の後面を回って内転筋群および大腿骨頭の関節支帯枝を出す。大腿動脈系であり、内腸骨動脈の枝ではない。
✗ 4. 誤り
卵巣動脈
卵巣動脈は腹大動脈から直接起こる細い動脈で、骨盤内で卵巣提索を通って卵巣に至る。発生学的に卵巣が腎臓の高さから下降したため、動脈起始も腹大動脈に残っている。内腸骨動脈の枝ではない。
ポイント
  • 内腸骨動脈は骨盤側壁を下行し、臓側枝(骨盤内臓)・壁側枝(骨盤壁・会陰)・下肢枝(大腿内側・殿部)の3群に分かれる。
  • 覚え方のコツ: 「上殿・下殿・閉鎖」は下肢枝3本、「腸腰・内陰部」は壁側枝2本、残りが臓側枝。梨状筋の上下で上殿・下殿を区別。
  • 関連知識: 直腸への3動脈「上直腸(下腸間膜)/中直腸(内腸骨)/下直腸(内陰部)」を一括で整理。
  • よくある間違い: 大腿回旋動脈・卵巣動脈を内腸骨動脈の枝と誤る。前者は大腿動脈系、後者は腹大動脈直接枝。
  • 臨床応用: 骨盤骨折では内腸骨動脈枝(特に上殿動脈・内陰部動脈)の損傷により大量の後腹膜出血を起こし、TAE(経カテーテル動脈塞栓術)の対象となる。
比較表
内腸骨動脈3群 主な枝 通路・分布
臓側枝 臍動脈→上膀胱動脈、下膀胱、子宮、中直腸 骨盤内臓
壁側枝 腸腰動脈、内陰部動脈 後腹壁、梨状筋下孔→小坐骨孔→骨盤底
下肢枝 閉鎖動脈、上殿動脈、下殿動脈 閉鎖管/梨状筋上孔/梨状筋下孔
解説画像
鍼灸 第28回(2020) 問題19|内腸骨動脈の枝はどれか。 解説図
鍼灸 第28回(2020) 問題19|内腸骨動脈の枝はどれか。
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