学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ C. 動脈系 / Q0120

理由で解く 解剖学

Q0120 循環器系

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題26
問題
腹腔動脈の枝でないのはどれか。
選択肢
1 下腸間膜動脈
2 脾動脈
3 固有肝動脈
4 右胃動脈
解答
正解1(下腸間膜動脈)
解説
✓ 1. 誤り
下腸間膜動脈
下腸間膜動脈は腹大動脈の前面から第3腰椎付近で起こる無対性臓側枝で、下行結腸・S状結腸・直腸上部(後腸)を栄養する。腹腔動脈からではなく腹大動脈から直接分枝するため、腹腔動脈の枝ではない(=正解)。腹腔動脈の分枝は「左胃・脾・総肝」の3本のみで、大腸後半を担う下腸間膜動脈は系統が完全に異なる。前腸/中腸/後腸という発生学的区分で腹大動脈の3本の無対性臓側枝を整理するのが要点。
✗ 2.
脾動脈
✗ 正しい。 脾動脈は腹腔動脈3分枝の1つで、左行して膵上縁を走り脾臓・膵体尾・胃底・胃大弯左に分布する。腹腔動脈の直接枝として代表的な血管である。
✗ 3.
固有肝動脈
✗ 正しい。 固有肝動脈は腹腔動脈→総肝動脈から胃十二指腸動脈を分枝した後の本幹で、肝十二指腸間膜内を門脈・総胆管とともに上行して肝門から肝実質に入る。腹腔動脈系に属する。
✗ 4.
右胃動脈
✗ 正しい。 右胃動脈は腹腔動脈→総肝動脈から分かれ、胃小弯下縁を左胃動脈と吻合しながら走る。胃小弯下方の栄養動脈で、腹腔動脈系の枝に属する。
ポイント
  • 腹腔動脈の3分枝は左胃動脈・脾動脈・総肝動脈。総肝動脈から固有肝動脈・胃十二指腸動脈・右胃動脈が派生する。
  • 覚え方のコツ: 「腹腔=前腸、上腸間膜=中腸、下腸間膜=後腸」の発生区分で3本の無対性臓側枝を区別する。
  • 関連知識: 固有肝動脈・門脈・総胆管は肝十二指腸間膜内を走る「肝門3管」として一体で覚える。
  • よくある間違い: 下腸間膜動脈を腹腔動脈の枝と誤認する。両者は起始レベルも支配域も異なる。
  • 臨床応用: 肝動脈塞栓術(TACE)では腹腔動脈造影で総肝動脈を同定し、固有肝動脈に選択的カテーテル挿入して腫瘍を塞栓する。
比較表
動脈 起源 支配域
左胃動脈 腹腔動脈 胃小弯上方、食道下部
脾動脈 腹腔動脈 脾・膵体尾・胃底
総肝動脈 腹腔動脈 肝・胆・胃(右胃)・十二指腸上部
固有肝動脈 総肝動脈 肝・胆嚢
右胃動脈 総肝動脈 胃小弯下方
下腸間膜動脈 腹大動脈(別系統) 下行結腸〜直腸上部
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題26|腹腔動脈の枝でないのはどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題26|腹腔動脈の枝でないのはどれか。
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