
この図の解説
中央の心臓を起点に、上に肺循環(小循環)、下に体循環(大循環)が広がる全体図である。まず点線より上を見る。心臓(右心系)から出た青い肺動脈が肺へ向かい、肺の毛細血管でガス交換したのち赤い肺静脈で心臓(左心系)に戻る。ここでは肺動脈に静脈血、肺静脈に動脈血が流れる点に注意する。次に点線より下、体循環では心臓から赤い大動脈が出て、上半身・肝臓・胃小腸・腎臓・下半身の各毛細血管網へ分配され、消費後の血液は青い大静脈に集まり心臓へ返る。図の中段に注目すると、胃・小腸の毛細血管を出た血液がいったん門脈に集まり、再び肝臓の毛細血管を通ってから肝静脈へ抜ける「毛細血管を2回通る」経路が描かれている。これが門脈系であり、この図の最大の見どころである。
学習の要点
- 心臓は体循環(大循環)と肺循環(小循環)という2つの循環を仲介するポンプで、右心系は静脈血を肺動脈へ送り、左心系は動脈血を大動脈へ送る。
- 覚え方のコツ:色に惑わされず「肺動脈=静脈血、肺静脈=動脈血」を先に固定する。肺循環だけが動脈血・静脈血と血管名が逆転する。
- 関連知識:門脈は胃・小腸・脾臓・膵臓の血液を集めて肝臓に運ぶ機能血管で、肝臓を養う栄養血管は固有肝動脈が担う。門脈血は肝臓の毛細血管を経て肝静脈から大静脈へ注ぐ。
- よくある間違い:「動脈には必ず動脈血が流れる」は誤り。肺動脈は静脈血、門脈は栄養に富む静脈血で、どちらも例外にあたる。
- 臨床応用:肝硬変などで肝内血流が妨げられると門脈圧が亢進し、側副循環路として食道静脈瘤・痔核・臍周囲皮静脈の怒張(メデューサの頭)が現れる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
心臓は2つの循環を仲介するポンプで、右心系は静脈血を( )へ送り出し、左心系は動脈血を大動脈へ送り出す。空欄に入る血管名は何か。
答えを見る
答え: 肺動脈
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。