学習トップ理由で解く 解剖学第2章 ▸ A. 血管系(総論) / Q0073

理由で解く 解剖学

Q0073 循環器系

出典:あマ指 第11回(2003) 問題31
問題
動脈血が流れるのはどれか。
選択肢
1 肺静脈
2 奇静脈
3 門脈
4 臍動脈
解答
正解1(肺静脈)
解説
✓ 1. 正しい
肺静脈
肺静脈は肺胞でガス交換を終えた酸素飽和度の高い血液(動脈血)を左心房へ運ぶ。「静脈」という名称は血液の性状ではなく「心臓に帰る向き」に由来するため、肺静脈は動脈血が流れる静脈という例外となる。左右の肺からそれぞれ2本ずつ計4本が心臓後面に回り込み左心房に開口し、肺循環の還流路を構成する。胎児期を除いて成人では肺静脈が唯一、動脈血を流す「静脈」である。
✗ 2. 誤り
奇静脈
奇静脈は右肋間静脈など後胸壁の静脈を集めて上大静脈に注ぐ体循環の静脈で、組織に酸素を渡して戻る静脈血(酸素飽和度の低い血液)が流れる。動脈血ではない。
✗ 3. 誤り
門脈
門脈は胃腸・脾臓・膵臓など腹部臓器の毛細血管で酸素を失った後の静脈血を集めて肝臓に運ぶ。静脈血でありつつ栄養分を豊富に含む点が特徴で、動脈血は流れない。肝臓で類洞を通って肝静脈に抜ける。
✗ 4. 誤り
臍動脈
臍動脈は胎児の内腸骨動脈から起こって臍帯を通り胎盤へ向かう動脈で、老廃物やCO₂を多く含む静脈血を胎盤まで運ぶ。臍静脈が胎盤から動脈血を胎児に戻すのと正反対に、臍動脈は「動脈と呼ぶが静脈血が流れる」胎児循環の例外である。
ポイント
  • 動静脈の区別は「心臓から出る/帰る向き」であり、中の血液性状ではない。例外は肺静脈・肺動脈・臍静脈・臍動脈。
  • 覚え方のコツ: 「血液の色と名前がズレる4つ=肺の2つ(肺動脈・肺静脈)+胎児の2つ(臍動脈・臍静脈)」とセットで覚える。
  • 関連知識: 肺動脈は右心室→肺へ静脈血、肺静脈は肺→左心房へ動脈血。臍静脈は胎盤→胎児へ動脈血、臍動脈は胎児→胎盤へ静脈血。
  • よくある間違い: 名前に引っ張られて「静脈=青い血」と決めつけ、肺静脈を静脈血と誤る。
  • 臨床応用: 肺循環の異常(肺塞栓、肺高血圧症)では肺静脈から左心房へ戻る動脈血量が減り、低酸素血症を呈する。
比較表
血管 向き 内部血液
肺静脈 肺→左心房 動脈血
肺動脈 右心室→肺 静脈血
臍静脈(胎児) 胎盤→胎児 動脈血
臍動脈(胎児) 胎児→胎盤 静脈血
門脈・奇静脈 臓器→心臓方向 静脈血
解説画像
あマ指 第11回(2003) 問題31|動脈血が流れるのはどれか。 解説図
あマ指 第11回(2003) 問題31|動脈血が流れるのはどれか。
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。

この問題をアプリで理由で解く 解剖学
App Store入手