
この図の解説
心臓の壁の主体をなす心筋層を拡大した図である。左側では、枝分かれしながら網目状につながる心筋細胞が並び、細胞どうしの境界に階段状の線として介在板(intercalated discs)が描かれている。各細胞の中央には核があり、周囲を毛細血管が走る。右の拡大図は介在板の内部構造で、細胞どうしをボタンのように固定するデスモソームと、隣り合う細胞質を直接つなぐギャップ結合(gap junction)が示される。ギャップ結合はイオンが通れる小孔で、ある心筋細胞に生じた興奮が隣の細胞へと次々に伝わる。その結果、多数の細胞からなる心房や心室が、あたかも一つの細胞のように一致して収縮でき、これを機能的合胞体とよぶ。組織学的には横紋を持つ点で骨格筋と共通するが、介在板を介して興奮を伝え合う点が心筋の最大の特徴である。
学習の要点
- 介在板は心筋細胞どうしのつなぎ目で、デスモソーム(接着)とギャップ結合(電気的連絡)の2つの装置を含む。
- 覚え方のコツ:ギャップ結合=イオンの通り道 → 興奮が伝わる → 全体が一斉収縮=「機能的合胞体」。
- 関連知識:横紋を持つ点は骨格筋と同じだが、骨格筋には介在板がなく随意筋。平滑筋は横紋を持たない。刺激伝導系の興奮も、この心筋細胞間の連絡で心筋全体へ広がる。
- よくある間違い:介在板そのものが興奮を「発生」させるわけではない。興奮の起点は洞房結節であり、介在板は興奮を「伝える」役割。
- 臨床応用:心筋が機能的合胞体であるため、局所の異常興奮が心筋全体に波及して不整脈を生じうる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
多数の心筋細胞が介在板のギャップ結合で連絡し、一つの細胞のように一致して収縮するしくみを( )という。
答えを見る
答え: 機能的合胞体
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。