
この図の解説
図は、細く長いDNA二重らせんが折りたたまれて、やがて太い染色体になるまでの流れを一続きに描いている。まず右下を見てほしい。ATGACGGA…という4文字の並びが向かい合い、二本の鎖が対をなしてらせん状にねじれている。これがDNA二重らせんである。次に、このDNAがヒストンというタンパク質に巻き付いてヌクレオソームという数珠状の粒をつくり、さらに折り重なって左の灰色のコイル状の塊、すなわち染色質になる。染色質はDNAとタンパク質が結合したものだと図の説明が明示している。そして左上の青いX字形が、細胞分裂の際に染色質がぎゅっと凝集して目に見える太さになった染色体である。用語がまぎらわしいので、DNA(情報を収めた分子)→染色質(DNA+タンパク質)→染色体(凝集した姿)という一本の道すじで押さえるとよい。
学習の要点
- 中核要点: DNAは核内で遺伝情報を収める分子、染色質はDNAとタンパク質が結合したもの、染色体は細胞分裂の際に染色質が凝集して見えるようになったもの。三者は「同じもの」の別の姿である。
- 覚え方のコツ: 「材料=DNA、毛糸玉=染色質、荷造り済み=染色体」。分裂のときだけ荷造りして太い染色体になる、と結びつける。
- 関連知識: DNAはヒストンというタンパク質に巻き付いてヌクレオソームをつくる。染色質の「タンパク質」の正体がこのヒストンである。核小体にはRNAが集まる。
- よくある間違い: 「染色体はいつでも見える」は誤り。分裂していない間期の核内では染色質としてほどけており、光学顕微鏡で染色体としては見えない。
- 臨床応用: ゲノムは一人の人間をつくる遺伝子の集まりで、父型由来と母型由来の2組をもつ。染色体の本数や構造の異常は先天異常の原因となる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
細胞分裂に先立ち、核内に分散していた( )が凝集して、光学顕微鏡で見える染色体となる。空欄に入る語を答えよ。
答えを見る
答え: 染色質
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。