
この図の解説
この図は、核内でDNAの遺伝情報がmRNAへ写し取られる「転写」の場面を描いている。まず注目したいのは中央で二重らせんがほどけた部分で、「DNAの一部がほどける」とあるとおり、2本鎖の一方を鋳型にして緑色の1本鎖(RNA転写)がつくられている。その合成を担うのがオレンジ色の酵素RNAポリメラーゼである。下段の「DNA→(転写)→RNA→(翻訳)→タンパク質→(遺伝子発現)」の流れが最重要で、DNAからRNAをつくるのが転写、RNAをもとにリボソームでアミノ酸を連結するのが翻訳と区別して覚える。左下のGUG・CAU…と、その下のV・H・L…の対応は、mRNA上の3文字の塩基配列(コドン)が1つのアミノ酸を指定することを示す。RNAではチミンの代わりにウラシル(U)が使われる点も、配列にUが並ぶことから確認できる。完成したmRNAは核膜孔を通って核外へ出てリボソームに結合するため「メッセンジャー(伝令)RNA」と呼ばれる。
学習の要点
- 転写はDNA→mRNA、翻訳はmRNA→タンパク質で、mRNAが核内の情報を核外のリボソームへ運ぶ橋渡し役になる。
- 覚え方のコツ: 「テンシャ(転写)は核の中、ホンヤク(翻訳)はリボソーム」。DNA→RNA→タンパク質の一方向の流れをセットで暗記する。
- 関連知識: 転写でできたmRNAはリボソームに結合し、tRNAが運んだアミノ酸が連結されてタンパク質になる。RNAには他にリボソームの構成成分となるrRNA、アミノ酸を運ぶtRNAがある。
- よくある間違い: 転写と翻訳の取り違え。RNAの塩基でチミン(T)ではなくウラシル(U)が使われる点も落としやすい。
- 臨床応用: 遺伝情報→タンパク質(酵素)の流れは、酵素異常による先天代謝疾患の背景として理解の土台になる。
比較表
確認問題(その場で確認・記録には残りません)
RNAを構成する塩基のうち、DNAのチミン(T)の代わりに使われるのは( )である。
答えを見る
答え: ウラシル(U)
※ 確認問題はその場の理解確認用で、復習スケジュール(FSRS)には記録されません。