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理由で解く 解剖学

Q0005 人体の構成

出典:鍼灸 第15回(2007) 問題15
問題
受精卵が両親からほぼ同量ずつ受けとるのはどれか。
選択肢
1 リボソーム
2 小胞体
3 ミトコンドリア
4 染色体
解答
正解4(染色体)
解説
✗ 1. 誤り
リボソーム
リボソームはmRNAの情報に従いアミノ酸をつないでタンパク質を合成する細胞小器官である。受精卵の細胞質は主として卵子に由来し、精子は頭部にほぼDNAのみを詰め込んで細胞質をほとんど持たないため、リボソームは母親由来の卵子からほぼ全量が供給される。
✗ 2. 誤り
小胞体
小胞体は粗面小胞体(タンパク質合成)と滑面小胞体(脂質合成・Ca²⁺貯蔵など)からなる細胞小器官である。受精卵の細胞質は母親由来の卵子に依拠しており、精子は細胞質をほとんど持たずに卵子へ進入するため、小胞体は母親由来が圧倒的である。
✗ 3. 誤り
ミトコンドリア
ミトコンドリアは0.1〜1µmの球形ないし糸状の小体で、細胞のエネルギー産生の場である。受精卵のミトコンドリアは卵子由来が圧倒的多数を占め、精子のミトコンドリア(中片部に存在)は受精後に速やかに分解されるため、事実上すべて母親由来(母性遺伝)となる。
✓ 4. 正しい
染色体
染色体は受精卵が両親からほぼ同量ずつ受けとる構造である。ヒトの46本の染色体を大きさ順に並べると、形の同じ2本ずつが対をなし、それぞれ精子と卵子から受け継がれたものとなる。精子は減数分裂により23本(常染色体22本+性染色体1本)を持ち、卵子も同じく23本を持ち、受精によって46本(22対の常染色体+1対の性染色体)が復元される。子は父母からそれぞれ23本ずつ、ほぼ同量の遺伝情報を受け継ぐ。一方、細胞質内の小器官(ミトコンドリア・小胞体・リボソームなど)は卵子の細胞質が主体となるため母性遺伝が基本である。
ポイント
  • 受精卵は染色体(核ゲノム)のみ両親から23本ずつほぼ同量受けとり、細胞質小器官は母親由来が圧倒的である。
  • 覚え方のコツ: 「核は折半、細胞質は母親独占」と覚える。精子の本体は核と少量のミトコンドリアのみで、受精後のミトコンドリアは母性遺伝。
  • 関連知識: ミトコンドリアDNA(mtDNA)は母系のみから伝わるため、家系解析や人類学的追跡に使われる。
  • よくある間違い: 「ミトコンドリアは両親から同量」と誤答する。精子ミトコンドリアは受精後分解される。
  • 臨床応用: ミトコンドリア病は母系遺伝となり、父からは遺伝しない。家族歴聴取で母系にさかのぼることが鑑別の手がかりになる。
比較表
由来 両親からの寄与 受精後の挙動
染色体(核ゲノム) 精子23本+卵子23本=46本 折半で合流し娘細胞に維持
ミトコンドリア 卵子由来が圧倒的(母性遺伝) 精子由来は受精後に分解される
小胞体・ゴルジ装置・リボソーム 卵子の細胞質に由来 精子は細胞質をほとんど持たない
細胞膜 卵子の細胞膜を土台とする 受精後に再構築される
解説画像
鍼灸 第15回(2007) 問題15|受精卵が両親からほぼ同量ずつ受けとるのはどれか。 解説図
鍼灸 第15回(2007) 問題15|受精卵が両親からほぼ同量ずつ受けとるのはどれか。
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