学習トップ理由で解く 解剖学第1章 ▸ A. 細胞 / Q0004

理由で解く 解剖学

Q0004 人体の構成

出典:鍼灸 第11回(2003) 問題16
問題
有糸分裂で各々の染色体から分かれた2.個の娘染色体が両極に移動する時期はどれか。
選択肢
1 前 期
2 中 期
3 後 期
4 終 期
解答
正解3(後 期)
解説
✗ 1. 誤り
前 期
前期は、間期に複製されて2倍量となったDNAが凝集し、光学顕微鏡で観察できる染色体として可視化される時期である。核膜が消失し、中心体が両極に移動して紡錘体形成が開始するが、染色体はまだ赤道面に整列しておらず、両極への移動も起こっていない。
✗ 2. 誤り
中 期
中期は、紡錘糸に引かれた染色体が細胞の赤道面に一列に整列する時期である。染色体観察が最も容易で、核型分析もこの時期の細胞を用いて行われる。姉妹染色分体はまだ結合しており、両極への移動は開始していない。
✓ 3. 正しい
後 期
細胞分裂は前期・中期・後期・終期と進行する。後期は、赤道面に整列した各染色体の姉妹染色分体(2個の娘染色体)が動原体(セントロメア)で分離し、紡錘糸に引かれて細胞の両極へと移動していく時期である。中心小体は分裂時に複製されて両極に移動し、紡錘糸を介して染色体を引き寄せる中心となる。後期の終わりには各極に46本ずつの染色体が集合し、続く終期で核膜が再形成され、細胞質分裂により2個の娘細胞が完成する。
✗ 4. 誤り
終 期
終期は、両極へ移動を完了した染色体のまわりに核膜が再形成され、染色体は脱凝集して染色質に戻り、核小体が再び出現する時期である。同時に細胞質分裂(くびれ込み)が進行し、2個の娘細胞が完成する。両極への移動は後期ですでに完了している。
ポイント
  • 姉妹染色分体(娘染色体)が分離して両極に移動するのは有糸分裂の後期である。
  • 覚え方のコツ: 「前=凝集、中=整列、後=移動、終=再形成」と1文字で覚える。「後期=go(移動する)期」と連想も有効。
  • 関連知識: 後期は中心小体(両極)から伸びる紡錘糸がセントロメアで切れた染色分体を引っ張る時期。中心小体は微小管の集まり。
  • よくある間違い: 「中期で移動する」と取り違える/終期で分離すると誤認する。中期は赤道面整列、後期は両極移動と区別。
  • 臨床応用: 後期における染色体の不分離(ノンディスジャンクション)がトリソミー(ダウン症など)やモノソミーの根本機序で、加齢妊娠で頻度が上がる。
比較表
時期 染色体の状態 核膜 紡錘体
前期 凝集し可視化 消失し始める 形成開始
中期 赤道面に整列 なし 完成
後期 分離し両極へ移動 なし 引っ張る
終期 両極で脱凝集 再形成 消失
解説画像
鍼灸 第11回(2003) 問題16|有糸分裂で各々の染色体から分かれた2.個の娘染色体が両極に移動する時期はどれか。 解説図
鍼灸 第11回(2003) 問題16|有糸分裂で各々の染色体から分かれた2.個の娘染色体が両極に移動する時期はどれか。
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