学習トップ / 理由で解く 柔道整復師 / 整形外科学 ▸ §20 部位別各論 手・手指 / QJ34P064
理由で解く 柔道整復師
デュピュイトラン拘縮は、手掌腱膜が線維性に肥厚・短縮して索状物(コード)を作り、指が伸ばせなくなる疾患です。発生部位は手掌なので、正答は2です。
病変の主座が「腱ではなく腱膜」である点が、この疾患を理解する鍵です。手掌腱膜の筋線維芽細胞が増殖してコラーゲンを過剰に産生し、皮下に硬い結節と索状の隆起が生じます。索が縦に短縮するにつれて指はMP関節、続いてPIP関節が屈曲位に引き込まれ、机に手掌を平らに置けなくなります(テーブルトップテスト陽性)。障害されるのは環指と小指が多く、経過は数年単位でゆっくり進行します。腱そのものの炎症ではないので、腱鞘炎のような運動時の疼痛や夜間痛は通常みられず、患者の訴えは「痛みはないが伸びない」という機能障害が中心です。中高年の男性、欧米人に多く、糖尿病、アルコール多飲、てんかん治療薬との関連が指摘されています。治療は、拘縮が軽度なら経過観察、機能障害が強ければ腱膜切除術が基本で、注射による索の溶解や経皮的な腱膜切離が行われることもあります。装具や徒手的な伸張だけでは索は改善しないため、日常生活に支障が出ている段階では医療機関での手術的治療の相談を勧めます。
| デュピュイトラン拘縮 | ばね指(狭窄性腱鞘炎) | 手根管症候群 | |
|---|---|---|---|
| 病変部位 | 手掌腱膜 | MP関節掌側のA1腱鞘 | 手根管内の正中神経 |
| 主症状 | 無痛性の屈曲拘縮 | 屈伸時の疼痛と弾発現象 | 母指〜環指橈側のしびれ、夜間増悪 |
| 好発 | 中高年男性 | 中年女性、糖尿病 | 中年女性、妊娠期、透析患者 |
| ステロイド注射 | 効果は期待できない | 著効する | 一時的に有効なことがある |
| 手術 | 腱膜切除術 | 腱鞘(A1)切開 | 手根管開放術 |
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