学習トップ理由で解く 柔道整復師外科学概論 ▸ §6 失血と輸血・輸液 / QJ34P049

理由で解く 柔道整復師

QJ34P049 外科学概論

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問49
問題
輸血の副作用と症状の組合せで正しいのはどれか。
選択肢
1 空気塞栓-乏尿
2 不適合輸血血圧低下
3 クエン酸中毒発熱
4 ウイルス感染-けいれん
解答
正解2(不適合輸血血圧低下)
解説

ABO不適合輸血では血管内で急性溶血が起こり、発熱・悪寒・腰背部痛に続いて血圧低下やショックをきたす。したがって「不適合輸血−血圧低下」が正しい組合せである。

輸血の副作用は原因ごとに出る症状が決まっており、機序から逆算すると覚えやすい。不適合輸血は抗原抗体反応で赤血球が壊れ、ショック、ヘモグロビン尿、DIC、さらに急性腎不全による乏尿へ進む。空気塞栓は混入した空気が右心から肺循環を塞ぐため、呼吸困難・胸痛・チアノーゼ・循環虚脱という循環呼吸系の急変として現れる。クエン酸中毒は、保存血の抗凝固剤であるクエン酸が血中カルシウムと結合して低カルシウム血症を起こす病態で、大量・急速輸血のときに口周囲のしびれやテタニーが出る。輸血中は開始直後から患者を観察し、異常があればただちに輸血を止めて輸液路を確保し、血圧・尿の色と量を確認して医師へ報告する。

✓ 2. 正しい
不適合輸血血圧低下
ABO不適合では急性血管内溶血が起こり、発熱・悪寒・腰背部痛とともに血圧低下からショックに至る。ヘモグロビン尿、DIC、急性腎不全(乏尿)も同じ流れで生じる。
✗ 1. 誤り
空気塞栓-乏尿
乏尿は溶血によって腎が障害される不適合輸血の症状である。空気塞栓では肺循環が閉塞し、呼吸困難・胸痛・チアノーゼ・循環虚脱が前面に出る。
✗ 3. 誤り
クエン酸中毒発熱
クエン酸中毒の本態は低カルシウム血症で、口周囲のしびれ、手指のふるえ、テタニー、心収縮力低下や血圧低下が起こる。発熱は不適合輸血や発熱性非溶血性輸血反応でみられる症状。
✗ 4. 誤り
ウイルス感染-けいれん
輸血で問題になるウイルスはHBV・HCV・HIV・HTLV-1などで、潜伏期を経て肝炎や免疫不全として現れる遅発性の副作用である。輸血直後のけいれんを代表症状とはしない。
ポイント
  • 不適合輸血=血管内溶血。発熱・悪寒・腰背部痛→血圧低下・ショック→ヘモグロビン尿→DIC→急性腎不全(乏尿)と一本の流れで覚える。
  • 空気塞栓は肺循環の閉塞なので、症状は呼吸困難・胸痛・チアノーゼ・循環虚脱。
  • クエン酸中毒は低カルシウム血症。しびれ・テタニー・心収縮力低下が出るので、大量輸血時はカルシウム補充を考える。
  • 輸血感染症(HBV・HCV・HIV・HTLV-1)は潜伏期のある遅発性副作用。
  • 異変に気づいたらまず輸血を中止し、輸液路を確保して血圧・尿量・尿の色を確認し、製剤と患者の照合をやり直して医師に報告する。
比較表
副作用機序特徴的な症状時期
不適合輸血抗原抗体反応による血管内溶血発熱・悪寒、腰背部痛、血圧低下・ショック、ヘモグロビン尿、乏尿、DIC輸血開始直後〜数分
空気塞栓空気が肺循環を閉塞呼吸困難、胸痛、チアノーゼ、循環虚脱輸血中
クエン酸中毒クエン酸がCaと結合し低カルシウム血症口周囲のしびれ、テタニー、心収縮力低下、血圧低下大量・急速輸血時
ウイルス感染HBV・HCV・HIV・HTLV-1などの伝播肝炎、免疫不全など数週〜数年後
この問題の解説の修正を依頼する

解説に誤り・改善点があればお知らせください。件名と本文は自動入力済みです(編集できます)。お名前・メールアドレスは任意です。送信内容は玄康株式会社(黒澤一弘)に届きます。