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理由で解く 柔道整復師

QJ34P011 衛生学・公衆衛生学

出典:第34回柔道整復師国家試験(2026)午後 問11
問題
季節病でないのはどれか。
選択肢
1 肺結核
2 気管支炎
3 細菌性食中毒
4 脳血管疾患
解答
正解1(肺結核)
解説

季節病とは、発生や増悪に明らかな季節の周期性がみられる疾患をいう。気管支炎・細菌性食中毒・脳血管疾患はいずれも季節病にあたるが、肺結核は通年でみられ季節病には数えないため、答えは1である。

季節病が生じるのは、気温・湿度・日照といった環境要因の変化が、病原体の増えやすさや人体の生理的反応、さらには人々の生活行動を同時に変えるからである。夏は高温多湿で食品中の細菌が増殖しやすいため細菌性食中毒が増え、熱中症も夏に集中する。冬は空気が乾燥してウイルスが飛散しやすく、気道粘膜の線毛運動も低下するため気管支炎などの呼吸器疾患が増える。同じ冬に脳血管疾患や心疾患が増えるのは、寒冷による末梢血管の収縮と血圧上昇が引き金になるためで、脱衣所と浴室の温度差によるヒートショックも典型例である。これに対し肺結核は、結核菌の飛沫核(空気)感染で成立し、発病するかどうかは感染後の宿主の免疫状態に左右されるため、特定の季節に偏った発生を示さない。この設問は「季節病でないもの」を答える形なので、残る3つが季節病であることを確認してから選ぶと取りこぼしがない。

✓ 1. これが季節病でない=正答
肺結核
結核菌の飛沫核感染により通年で発生し、明らかな季節周期を示さないため季節病には含めない。発病を左右するのは季節ではなく、加齢、糖尿病、免疫抑制薬の使用、低栄養といった宿主側の免疫低下である。長引く咳や微熱、体重減少をみたら季節を問わず結核を鑑別に挙げ、医療機関受診を勧める。
✗ 2. 季節病にあたる(答えではない)
気管支炎
冬に増える代表的な季節病である。乾燥によるウイルスの飛散しやすさ、気道粘膜の防御機能の低下、屋内で人が密集することが重なって発生が高まる。
✗ 3. 季節病にあたる(答えではない)
細菌性食中毒
高温多湿の夏に増える季節病である。腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラなどが原因となる。なお、ノロウイルスなどウイルス性食中毒は冬に多く、季節が逆になる点も押さえておきたい。
✗ 4. 季節病にあたる(答えではない)
脳血管疾患
冬に増える季節病である。寒冷刺激による血管収縮と血圧上昇が発症の引き金となり、入浴前後の急激な温度差(ヒートショック)も誘因になる。脱衣所・浴室を暖める、湯温を41℃以下にするといった対策が有効である。
ポイント
  • 季節病=発生や増悪に明らかな季節周期がある疾患
  • 夏に多い:細菌性食中毒(腸炎ビブリオ、カンピロバクター、サルモネラ)、熱中症、日本脳炎
  • 冬に多い:気管支炎などの呼吸器感染症、インフルエンザ、脳血管疾患、心疾患、ウイルス性食中毒
  • 春に多い:花粉症などのアレルギー疾患
  • 肺結核は飛沫核感染で通年性。発病は宿主の免疫状態に左右され、季節性は明らかでない
  • 冬の循環器対策:脱衣所と浴室の保温、湯温41℃以下、急な寒暖差を避ける
比較表
疾患好発する季節季節性が生じる理由
肺結核通年(季節性なし)飛沫核感染。発病は宿主の免疫状態に依存
気管支炎乾燥によるウイルス飛散、気道粘膜の防御低下
細菌性食中毒高温多湿で食品中の細菌が増殖しやすい
脳血管疾患寒冷による血管収縮と血圧上昇、ヒートショック
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